景気が低迷している昨今では、学費の安い国立大学を目指したいという高校生およびその親御さんは多いのではないでしょうか。
では、果たしてそれは間違いのない選択肢なのでしょうか。今回は国立大学と私立大学の違いについて徹底的に検証していきましょう。
<検証①:国立大学は費用面で私立を圧倒するのか?>
一般的に国立大学は、どの学部であっても年間の授業料が50万前後と非常に格安なものです。医学部の場合、私立に行ってしまうと、年間1000万円以上はかかると言われているので、これは比較するまでもありません。ただ、一般的な文系・理系の学部となると話は別です。それはなぜでしょうか?確かに学費という面では、国立大学は非常に安いのですが、もし地元を離れて一人暮らしをしながら国立大学通う場合、生活費(家賃・食費・光熱費等)が加算されます。
一か月の一人分の生活費自体は膨大な額にはならないかもしれませんが、それが12か月分にもなると、積み重ねで大きな金額になります。年間の学費がいくら安く済んでも、それにプラスされる金額と合計すると、最悪の場合、私立大学の学費を上回ってしまいます。一方で、私立大学は学費は高いと言えども、自宅から通学するのであれば、実家での生活となるため、生活費は今までより多くなるということはありません。
もし、地方国立に行くというのであれば、自宅から通える範囲にある評判の良い私立大学に進学するというのは一つの手段と言えるでしょう。
<検証②:就職面で有利なのはどちらか?>
大学で一番気になるのは「就職率」でしょう。特に現在の不況下では、就職率は高いとは言えませんし、近年ではブラック企業などの流行語も出てきているので、就職には神経質にならざるをえません。
では、国立大学と私立大学ですと、就職には何か違いがあるのでしょうか。結論から言うと、大きな違いはありません。ただ、国立大学は私立大学に比べて学生数が少なめですので、就職サポートの手厚さは私立より多少良いのではないでしょうか。国立大学は少人数制のゼミなどを実施しているため、教授などとのつながりが密接になりやすい傾向にあります。
そのため、教授からのコネクションを活用して、思わぬ所に就職のためのルートがある場合もあります。それに対して私立大学は学生数が非常に多いため、1人1人をじっくりサポートしていくことが物理的に難しい環境にあります。私立大学の場合は、MARCH以上のレベルになると「ブランド」という付加価値が付くため、学生数の多さはさほど問題にはならなくなるかもしれません。
<最後に>
学費と就職という2つの側面から国立大学と私立大学を比較してまいりましたが、結局の所一番重要となるのは「自分がどれだけ動けるか」ということでしょう。いくら少人数制の手厚いサポートを受けていても、受け手の方にエネルギーが不足していたら成功する就活も成功しなくなってしまいます。逆に人数の多い大学であっても、自ら積極的に動いていけば、成功をつかむことだってできます。
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