大学入試は高校入試と異なり、倍率も高くなりますし、難易度も高くなります。また、同じ大学というカテゴリーの中であっても、国立大学と私立大学では大きく内容が異なります。
では、具体的にはどのような違いがあるのでしょうか?今回は国立大学と私立大学の入試を比較していきましょう。
<国立大学>
まずは入試の仕組みから入ります。国立大学は受験したい人が皆受験できるというわけではありません。まず第一段階としてセンター試験を受験して、その点数が一般的に言われているボーダーラインを越えた場合のみ、国立大学に出願することができます。もちろんボーダーラインを越えていなくても、出願することが出来るケースもありますが、難関国立大学ともなると、センター試験の点数だけでふるい落とされてしまいます。そうしてセンター試験を突破してようやく受験できるのが国立大学となります。
国立大学の入試は基本的には「記述・論述」のスタイルを多くとります。これはセンター試験である程度の人数を絞ったからこそできることで、受験者数の多い私立大学では採点が間に合わないためほぼ不可能となります。具体的には、英語の場合は「和訳しなさい」「説明しなさい」「英語で書きなさい」など、とにかく文章の形式で解答を書かせる問題がとても多くなります。ですので、センター試験までのように「どれか一つマークすれば勘でも当たってしまう」ということがありません。また「じっくり考えさせる問題・発想力を必要とする問題」も出題されます。
例えば昔、東京大学で「円周率が3.05より大きいことを証明しなさい」という証明問題が出題されました。これは普段の問題演習だけではなかなか培うことの出来ない問題ですから、ただ知識があるというだけの人はかなり落とされているようでした。このように、国立大学を受験する場合には、しっかりと対策を立てて、「書く」力を身に付けていかなければ合格を勝ち取ることは出来ないでしょう。
<私立大学>
私立大学は相当な数の受験者が試験を受けにきます。ですから上述したように、「じっくり考えさせる記述・論述問題」というのはあまり多くは出題することはできません。基本的には選択問題が中心となります。ただ、そうなると問題を多くすることによって受験者の間で差を付けるようにしなければなりません。
また、上位大学ともなると問題をいくら増やした所で、演習量をかなり積んでいる受験者が多くなるので、あまり差をつけることはできません。となると差を付けるために大学がすることは1つ、つまり「難易度を上げる」ことなのです。例えば英語の場合は「高校の教科書ではまず出てこないようなレベルの単語」、社会では「用語集にも掲載されていないようなマニアックな人名・事件」など、知らない人が多いような知識を出題することで差をつけざるをえません。
「ではそんなものをどうやって勉強するのか」という疑問が出そうですね。それに対してお答えするならば、「マニアックな部分では実際には差がつかない。点数を取れる所でいかに取りこぼしをしないかにかかっている」ということです。実の所、マニアックな問題というのは全体の1~2割であって、合格するためには7割程度得点が取れれば良いのですから、その1~2割を落とした所で怖いものはないのです。むしろ「ケアレスミス」という敵の方に大きな注意を払わねばならないのです。
<最後に>
今の時代は不景気が依然として続いているため、国立大学の人気が高まっています。しかし、国立大学は余分に合格者を取ることはないため、センター試験の対策もしっかり立てて、二次試験の対策もしっかり立てて、そして併願する私立の対策もしっかり立てて、確実に合格できるような状態で臨めることが理想ですね。
教育総合ランキング
2024/11/23 更新