その要因の1つは、「6ポケット(シックスポケット)」です。
ポケットとは、財布をポケットに例えた言い方なのですが、「ポケットを叩くとビスケットが1つ・・・もうひとつ叩くと2つ・・・と飛び出す歌」を連想させる魔法のポケットなのです。
まさに、子どもにとっては、このポケットは「打ち出の小槌」。
では、6つのポケットの正体はと言いますと。。。。
両親、祖父母、叔父・叔母の6名様のことです。そのほか、スポンサーとなってくれる親戚が多ければ、6ポケット+α(アルファ)となります。
子どもは、欲しいモノを常にこの6ポケットに知らせることで、クリスマスや誕生日、それ以外の機会にもリクエストしたモノを“簡単に”手にすることができてしまいます。したがって、あえて自分のおかねをやりくりして買う努力をする必要はない訳です。
実際、書けない子に「欲しいモノ」はないかと尋ねると、クリスマスでもらうからない。という回答が返ってきます。
世界全体の人口が激増していく中で、日本の人口は急激に減少しながらも超高齢社会に向かっています。
激動の時代を生きていく子ども達へ「おかねの教育」は、「子どもの生きる力を育てる」につながる大切なリテラシーです。おかねの教育は、ふだんの暮らしや子育ての中に取り入れることができ、しかも、12歳までは「心の教育」を育む機会を与えてあげてください。
そこで、今回のテーマから与える側に子どもにできる例をあげてみましょう。
●子どもには、なぜほしいのか?をあえて「交渉」「プレゼンテーション」させる
その理由や思い入れを子どもの言葉で伝えることで、モノを手に入れることの大変さとその欲しいモノへの意識に気が付くことができます。うまく伝わらなければ「残念」ということもありです。良い経験となるでしょう。これから社会に出て、自分の考えや意見を相手に伝え、理解してもらうことができる力は重要です。
●6ポケットとして、それぞれの考える倫理やルールをしっかり持ち、子どもに伝えておく
与える側の考えやルールも大切です。それがないと、昨年はくれたのに今年はだめなの?と、子どもにとっても、腑に落ちないことに。たとえば、金額をあらかじめ提示したり、与える時期も伝えておくと安心です。何万円もするモノをホイッと与えてしまうことがないようにしたいものですね。
子どもは、このような経験を通じて、成功や失敗といったその経験にまつわる思いを感じることができます。そして、その経験は15年後の大人になった時に「正しい判断と行動」のための選択肢のひとつとして助けてくれることでしょう。
世の中には沢山のモノがあふれて、ほとんどの“欲しいモノ”はおかねを出せば、手に入れることができる時代です。情報もインターネットの普及により収集が容易な時代でもあります。
こんな豊かな時代だからこそ、知らず知らずに子どもが成長できる機会を失っていることを忘れてはいけません。