子どもが生まれたらオムツを替え、お乳をやるだけですくすくと育っていくのでしょうか?実はそうではありありません。そこに愛情がなければ生命の危機に脅かされるそうです。
そこで今日は、『1人でできる子が育つ テキトー母さんのすすめ』の著者の立石美津子がお話します。
神聖ローマ帝国ホーエンシュタウフェン朝の皇帝フリードリヒ2世はあらゆる人体実験を行っていました。彼は「人間の子どもは生まれつき言葉を知っているのだろうか?」とふと疑問に持ち実験を行いました。
国中から50人の赤ん坊を集め、部屋に隔離し十分なミルクとオムツを替えること以外、次のことをしてはならないと命じていました。
・目を見てはいけない
・笑いかけてはいけない
・抱いてはいけない
・語りかけてはいけない
結果は・・・ 55人中、27人が2年以内に死亡。残った子供も17人が成人前に死んでしまい11人は成人後も生き続けました、その多くには知的障害や情緒障害が見られたというのです。
(参照) http://matome.naver.jp/odai/2139053594468577401
人間の子どもは無防備な状態で生まれてきます。ライオンやキリンなど動物の子どもは生後間もなく立つことができ早く成長します。
それに比べて人の子は生後1年くらいまでは立つことも自分で食事をとることもできません。これをスイスの生物学者のポルトマンが “生理的早産”と呼んでいます。だから、愛情をかけ十分な世話をしてやらないと生きてはいけないのです。
赤ちゃんは喋るわけでもなく、玩具で積極的に遊ぶわけでもなく、絵本を読んでくれとせがんでくる訳でもありません。
でも、こんな風にしてみたらどうでしょう。
(授乳時)
「美味しいね。ごくごく飲んでいるね」「お腹いっぱいになったね」「気温が高いから一気に飲んじゃったね」「お腹がいっぱいだったのね。もう少し時間が経ってからミルクにしようね」
(オムツ替え)
無言で作業をするのではなく「濡れて気分が悪かったね。今、替えてあげるからね」「さっぱりしたね」「ウンチがたくさん出てお腹がすっきりしたね」
(着替え)
着替えさせるときは「汗、たくさんかいたから新しい服に着替えようね」「寒いからもう一枚着ようね」
傍からみたら一人芝居のようですが赤ちゃんはしっかりママの声を受け止めています。そして、「自分の存在は忘れられていない」と感じることができ「生まれてきたこの世は安心できる世界だ。ママが守ってくれる」と思い愛着形成されていきます。
やらなくてはならない作業としてオムツを替えたりおっぱいを上げているママはいないと思います。目で見つめ合ったり、身体をさすったり声掛けしたりしていますよね。
こういうさりげない対応が実はとても大切なことであることをこの恐怖の実験の話から知ることができると思いました。
※この記事を書いた立石美津子さんの著書
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