住宅[373]

上位10%の職人が家づくりをしているワケ

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執筆者:前田 浩貴

私たちの会社では、6月から新規事業を始めています。新築に加えて、リフォーム・お庭・外壁塗装の4事業部になりました。

新規事業を始めるにあたり、協力業者さんを半年ほど募集しました。これまでに、80社ぐらい面談したと思います。

応募してきた業者さんで、現在何社がお仕事していると思いますか?

実は、1割です。9割の業者さんは、私たちと一緒に家づくりが出来ないのです。

では、私たちが協力業者さんの何を見ているのか興味ありませんか?

業者・職人の技術や腕は、面談では分かりませんよね。技術的な事は、ほとんどの業者がある程度のレベルまでは出来ていると思いますし、そうであると私は信じています。何十年とその職種で仕事している訳ですからね。

問題は、その技術を生かすだけの心があるかどうかです。お客様の現場での不満の多くは「職人の態度」です。

挨拶をしない
車の駐車の仕方が悪い
掃除をしない
見た目の清潔感が無い
何かと言い訳をして、ごまかそうとする
大声でしゃべる
作業態度が悪い

営業マンは、お客様と接する場面が多いので 好感度を上げるような努力をしています。しかし、職人は家を造る事が仕事なので、接客のスキルはありません。つまり、人間性がそのまま出てしまうのです。

例えば、「釘はめり込まないように丁寧に打ちなさい。」と指導したとします。
(エアー工具で圧力を調整して、少し釘頭が出るように打ち、その後にハンマーで手打ちします。)

1階の良く見える部分は、めり込まないように釘を打ったとします。しかし、2階の高い部分では、それが守られていなければ、良い家は出来ないでしょう。釘をめり込まないように打つことは結構な手間なのです。でも、この場合は1階では出来ています。それが2階では出来ない理由はありません。

釘の打ち方でお伝えしましたが、家づくりはもっと多くの材料や作業で出来上がっていきます。

その全てを私たちは管理する事は、出来ません。一日中、現場に張り付いてみている訳にはいきませんから。職人さんを信じてお任せする部分もあります。業者・職人の志はとても大切なのです。

私が面談で必ず聞く事があります。

「あなたは、どうして家づくりの仕事を選んだのですか?」

もし、お金儲けだけだったら、大工・塗装・解体・内装・・・・などの職業でなくても良かったはずです。

この質問に応えられて、私たちの家づくりの思いに共感出来て コミュニケーション能力があって、自ら気づいて更に良い家づくりへと改善出来る そんな業者・職人が集まっています。だから、挨拶も、掃除も出来ます。清潔感もあります。正直です。

こんな話を聞く事がありました。

「職人さんに直接お願いしたら、安くて良い家が出来るのでは?」

可能性はありますが、難しいでしょう。

先にもお伝えしたように、私たちと家づくりをしている職人は「TOP 10%」です。 そして、私は現場での20年以上の経験から、どんな職人が良い家を造るのかは感覚で分かります。

もし、私と同じように数多くの職人を募集出来て、そこからTOP 10%の職人を選ぶ事が出来たのなら、安くて良い家が出来るのかもしれません。でも、難しいでしょうね。運よく職人が見つかっても管理が出来ません。

職人も人間ですから、どんなに腕の良い職人でもどこかで甘えが出るかも知れません。

住宅会社を選ぶときに、質問してください。

「どんな基準で職人さんを選んでいるのですか?」

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