「喧嘩しても家族がすぐ仲直りする家」という題ですが、結論から言うとそんな家はありません。他にも「子供の頭がよくなる間取り」とか「お金のたまりやすい家」というのも本当は存在しません。
なぜなら、それらは本来は住宅に求めるべき性能ではなく、提案されているとすれば、それは「生活スタイル」なのです。あくまで、人間の能動的な行動を促すためのきっかけ作りの話で、特定の間取りに魔法のような効果があるわけではありません。
このような考え方はおそらく「風水」や「家相」といったものを信じる気持ちの延長線上にあると思われます。
家を建てるということは人生で何度も経験することではなく、しかも多くの事柄について考え、決定しなければなりません。家造りに興味がなく、ハウスメーカーに任せきりであればそれでよいのですが、そうではないのではあれば何かで自身の「枠」を決めないと、まるで無限の可能性の中から一粒を拾い出すような行為に途方に暮れてしまうことでしょう。
そのような方々は玄関や水廻り諸室の位置を限定したり、色使いを限定したり、建物の工期を限定することで、自身を縛っています。