子ども同士遊ばせていると必ずと言っていいほど喧嘩が始まりすよね。そんな時、ママ友との人間関係を優先して謝罪すこと、許すことを強制していませんか。でも、実はこれは双方の子どものためにはならないのです。
そこで今日は、『1人でできる子が育つ テキトー母さんのすすめ』の著者の立石美津子がお話しします。
子どもの立場に自分を置き換えてみましょう。もし、自分が夢中で遊んでいる玩具を他の子どもに奪われそうになったら、相手を攻撃したくなりませんか。言葉がうまく話せない年齢だったら相手を叩いたり、噛んだりしたくなりませんか。また、そこまでいかなくても「貸して」と言われて「はい、どうぞ使ってください」の気持ちには絶対になれませんよね。
でも、ママの目から出る“貸してやりなさいビーム(=光線)“に怯えて「意地悪しないで『いいよ』って言って、お友達に貸してあげなさい」と貸すことを強いられると従わざるを得なくなるわけです。
また、玩具を奪われたくないあまり、相手の子どもを突き飛ばしたら「なにしているの!お友達を叩いたらダメでしょ!『ごめんなさい』をしなさい」と謝ることを強制された場合、形ばかりでもその場を逃れようと「ごめんね」と条件反射したりします。
子どもは自己中心的で我儘な生き物です。そしてわが相手の気持ちになることよりも自分が優先です。でも、それが子どもの良いところなのです。頑として貸さない子、ごめんねをなかなか言えない子は“意地悪な子”ではなく“自分の意思をしっかり主張できる子”なんです。
人生のスタート地点の幼少期に“自分の気持ちを押し殺して相手の気持ちを優先させることばかり強いられると、自分の気持ちはいつも後回しにし自己主張ができない人に育ってしまいますよ。大人がコントロールして「いいよ」の言葉を引き出さないようにしましょう。
けれども、他の子どもと遊ばせれば皆が皆、自分の我儘を通しますから当然、いさかいになってしまいますよね。そんな時はどうしたらいいのでしょうか。
(相手の子どもの玩具を奪おうとお友達を叩いたり、突き飛ばしたとき)
我が子の気持ちに寄り添い「○○君の使っている玩具面白そうだったね、あれで遊んでみたかったんだね。でもね、叩くのはやめようよ、手を出して『貸して』とお願いしてみようよ」と暴力に頼らない手段を教える。
(それでも、相手の子どもが貸してくれなかった場合)
「あれで遊びたいよね。でも、今、遊んでいるから貸したくないんだって、残念だったね」と双方の気持ちを代弁してあげましょう。そして、我が子がまだ言葉がうまく喋れなかったら、相手の子どもに「使い終わるのを待っているから、遊び終わったら貸してね」とママが代わりに言ってあげましょう。
(奪われる側の親の場合)
我が子が他の子に玩具を奪われる側の親であっても、直ぐに「意地悪しないで貸してあげなさい」と言ってはなりません。今、遊んでいるから少し待っていてね」と相手の子どもに断りの文句を伝えましょう。
親に共感してもらった子どもは嬉しくなります。そして、この対応を見て子どもはどうすればいいか学習することが出来ます。しばらく遊んだ後、お友達に貸してあげられるかもしれません。それに、相手の気持ちをわかるようになるには、まず自分が親から大事にされることです。これでこそ思いやりや優しさも育ちます。
親だって子どもから「ちょっと待ってて、、今忙しいから」「お菓子買って」と言われたときしょっちゅう断っていませんか。同様に子どもにも事情や理由があります。ママ友との人間関係を優先させて直ぐに謝らせたり、許すことを強いないようにしましょうね。
※この記事を書いた立石美津子さんの著書
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