確定申告をする場合には、一般的には、毎年2月16日から3月15日までの期間に、住所地を管轄する税務署の確定申告コーナーに出向いて、そこで確定申告の手続きを行います。
しかし、確定申告の時期は税務署が大変込み合い、確定申告を行うのにも非常に骨が折れる場合があります。しかし、最近では、インターネットを利用して手続きを行うことにより、混雑する税務署に出向かないでも、確定申告ができるようになりました。
インターネットを利用した確定申告の手続きはe-Taxを利用して行います。e-Taxとは、国税庁が運営する国税に関するオンラインサービスシステムのことをいいます。ちなみに、正式名称を国税電子申告・納税システムといいます。
e-Taxを利用して確定申告を行う具体的な手続きは、自宅のパソコンから国税庁のホームページにアクセスし、そのホームページ内にある「確定申告書等作成コーナー」において、パソコンから必要事項を入力することで確定申告書を作成し、それを国税庁へ送信することで行います。
なお、e-Taxを利用して確定申告を行うためには、事前に準備が必要です。その準備とは、まず、住所を管轄する市区町村窓口で「住民基本台帳カード」取得します。そして、その次に、「公的個人認証サービス」に基づく電子証明書を取得します。
ちなみに、この手続きには手数料(500円程度)がかかります。また、この手続きが必要となるのは、e-Taxを利用して確定申告を行うためには、電子署名を行う必要があるからです。
また、住民基本台帳カードに格納された電子証明書を利用する際には、ICカードリーダーが必要になります。ICカードリーダーについては、自宅にあるパソコンとの接続等を確認したうえ、家電販売店などで購入します。
電子署名の用意が整ったら、国税庁のホームページの「確定申告書等作成コーナー」にアクセスします。すると、一連の操作で、初期設定から確定申告書の作成から送信までを行うことができます。
e-Taxで確定申告を行うことのメリットは、混雑する時期に税務署に行かなくても、自宅において申告手続きができることです。しかも、確定申告の期間中は、土日祝日の休みもなく、毎日24時間 e-Tax利用が可能です。税務署の開所時間にとらわれる必要はりません。
次に、確定申告による還付金がある場合には、申告データの送信から3週間程度で処理がなされます。通常の確定申告による還付金の支払い手続きよりも相当早い時期に還付金の支払いがなされます。
また、e-Taxで確定申告を行えば、添付書類の省略できます。例えば、医療費の領収書や源泉徴収票などは、その記載内容を入力することで、書類の添付を省略できます。ただし、法定の申告期限から5年間は、税務署から添付を省略した書面の提出などを求められる場合があります。
ですから、e-Taxで確定申告を行った場合でも、申告に必要であった書類は、法定の申告の期限(通常は申告をした年の3月15日から)から5年間は保存しておかなくてはなりません。
e-Taxにはメリットだけではなく、住民基本台帳カードの発行手数料やICカードリーダーな度の購入費などの初期費用がかかることや、コンピューター犯罪の可能性など、デメリットもあります。しかし、自宅にいながら確定申告の手続きができることは大変大きな魅力です。
世の中は急速なスピードでIT化が進んでいます。e-Taxも多少のデメリットはあるものの、この流れに乗って、今後ますます普及していくことが予想されています。
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