“子どもは褒めて育てましょう”とよく耳にしますね。
でも、実は子どもは褒めなくでも育つんですよ。別の方法があります。
■こんな風に言ったらどうなるでしょう。
会社の上司が仕事をバリバリこなしています。
そんなとき、部下であるあなたが上司に次にように言ったらどうなるでしょう。
「○○課長、偉いですね」
きっと、相手は「馬鹿にすんな!」と怒ってしまいますよね。“嫌味を言われている”と思うかもしれませんね。
実は“偉いね・立派だね・お利口だね”の褒め言葉は上下関係の中で“上の者から下の者”に伝える言葉なんです。ある意味“上から目線”。
どうしても親という動物は、自分のお腹から生まれてきた我が子に対して“自分の所有物”“自分の支配下にある人間”と錯覚して、コントロールしたくなるものです。
けれども、この世に生まれてきた時点で親とは違う一人の立派な人格を持った人間なんです。ある意味、対等です。
ですから、いつまでも上から目線で褒めるのは止めましょうね。
■子どもの能力を低く見積もった褒め方
たいした努力もしていないのに、また、年相応のことをしているだけなのに、次のように褒められたら子どもはどのように感じているでしょうか。
・4歳の子どもに対して
手づかみしないで食べて偉いね。スプーン使ってお利口だね。
・5歳の子どもに対して
レストランで走り回らないでお兄さんだね。
・小学生対して
ひらがな書けていて立派だね。
4歳の子どもがお箸で食べている、5歳の子どもがレストランで店員に自ら注文できる、小学生が漢字をバンバン使っている場面を見て褒めるのならば相手も嬉しくなります。
また、とうの昔に子育てを終えたお婆さんが子どもの発達段階を忘れて、3歳の子に“いないいないばあ”をして、子どもが怪訝な顔付きをしていることはあります。
このように年を考えずに相手にしたり、“なんでも褒めれば満足するだろう”と大したことをしていないのに褒められても、子どもはちっとも嬉しくありません。なかには“馬鹿にすんな!”と思う子も出てきます。
■どう伝えればいい?
子どもが良い行動をしているのに何も声をかけないのはよくありません。黙っているよりはましですが“〇”の言い方に変えてみましょう。
(片付けている場面)
△玩具、お片付けして偉いね。
○玩具、片付けていて部屋がすっきりして気持ちがいいわ。
(食事を残さず食べている場面)
△残さず食べてお利口さんね。
○残さず食べてくれて、ママ、一生懸命作った甲斐があるわ。有難うね。
(勉強している)
△勉強して偉いね。
○学力が付くね。
(早く準備している)
△時間守って偉いね。
○遅刻しなくて焦らなくて済むわ。時間に余裕が出来たね。
(姿勢がよい)
△姿勢がよくて偉いね。
○素敵な姿勢だね。
子どもへのメッセージ“ユーメッセージ”ではなくママのメッセージ“アイメッセージ”とも言えますね。
これは有名な心理学者“アドラー”の勇気づけの子育てなんですよ。アドラーは“子どもを褒めるな、勇気づけろ”と言っています。
対等な関係で子どもの行動に対して尊敬の念、感謝の気持ちをもった言い方をすると、子どもは勇気をもらい次からも頑張るようになりますよ。
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2024/11/20 更新