[家庭のこと]子どもの「良い睡眠」「悪い睡眠」

子どもの「良い睡眠」「悪い睡眠」

2016/01/18

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「うちの子は朝が苦手で起こすのにひと苦労」、そんなママたちの声をよく聞きます。でもそれは、必要な睡眠時間がとれていないからかもしれません。成長期の子どもによって睡眠は栄養です。

睡眠は気持ちの安定に影響し、不足するとイライラ、落ち着かなくなるなどの症状があらわれます。記憶力や学力の低下にもつながるため、日頃から良い睡眠をとるように心がけなければいけません。

ところで、人間にはなぜ十分な睡眠が必要なのでしょうか?

私たち人間は、朝日の光とともに目覚め、昼間は行動し、夜の闇とともに寝るという生き物です。これは何千年も前から遺伝子的に組み込まれている性質です。

朝の光とともに目覚めることは、脳が覚醒をしはじめるサインともいえます。日中に脳と体を使うため、夜は脳と体を休めないといけません。睡眠にはこのように、脳を休ませ、体を整備する大きな役目があります。

したがって、いくつになってもすべての人に十分な睡眠時間と質の良い睡眠が必要なのです。

欧米などでは一般的に、子どもを寝かしつけることは大切なしつけとして徹底されています。ところが日本では、夜も明るい生活に慣れてしまった現代の生活スタイルも背景に、親の夜型化に子どもがずるずると巻き込まれ、子どもの睡眠時間が少なくなっている傾向があります。

夜更かしや睡眠不足は、いろいろなことに悪い影響を与えます。私たちの体は一日の中でホルモンの分泌、体温、睡眠、覚醒などが一定の決まったリズムをもち、調和しています。

夜更かしや睡眠不足などによって、この調和が崩れ、それぞれのリズムがバラバラに動き出すと、朝ボーッとしたり、授業中に寝てしまったりするようなことが起こります。次第に生活も乱れ、さらなる睡眠不足や睡眠障害などの悪循環に陥っていく危険性もあります。

生活習慣は日々の積み重ねです。子どもの思春期に悪い影響が及ばないようにするためにも、毎日、良い睡眠をとらせ、きちんとした生活リズムをつくってあげることが大切です。人間の生育に欠かせない成長ホルモンなどもリズムにのっとって、寝入りばなの深い睡眠のときに集中的に分泌されます。

ちなみに、成長ホルモンには脂肪を分解する働きもあり、寝不足で成長ホルモンが十分に分泌されないと太るという研究結果も報告されています。

夜暗くなると出てくる性質のメラトニンは、抗酸化作用などの働きのある重要なホルモンです。メラトニンをきちんと分泌させるためには、明るい部屋で寝ないことが大事です。

正しい睡眠覚醒リズムや生活リズムを確立させるために有効なのが、早起き、早寝、朝ごはんの3つです。

早起きを真っ先に挙げるのは、早く起きて活動して夜早くに眠くなるようにする前倒しのほうが体への負担が少ないからです。体は後ろにずれていくほうが楽なリズムと体内時計をもつため、23時に就寝していた子を今日いきなり20時に寝させるというのは体に無理がかかってしまいます。

お母さんたちの中には、子どもがどのくらい早く起きるのがいいのかを知りたい人も多いと思います。もちろん、通学時間なども関係してきますが、答えを先に言えばその子が早朝、自分で自然に目が覚める時刻が最もよいでしょう。

十分に睡眠が足りていれば、起こされなくても自分で目が覚めるものです。

ということは、十分な睡眠を確保して朝を迎えるためには、早く寝るということが必要になってきます。

ただ、必要な睡眠時間は人によって異なります。子どもの場合、たとえば10時間程度が推奨されているならば、起こされなくても自然に気分よく目が覚める時刻を把握し、そこから逆算して、何時に寝たらその子に必要な睡眠時間を確保できるかを考えるといいでしょう。

小学校に入学する子どもをもつお母さんたちには、参考として、「家を出る登校時刻の1時間前」を起床時刻の目安にするとよいと思います。 そして、どんなに忙しくても、子どもには朝ごはんを食べさせましょう。

体温は明け方や安静にしているときが一番低いのですが、朝起きて脳を活発化させるには体温を上げなければいけません。朝ごはんは体温を上げてくれるエネルギーとなります。

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