よく夫婦で役割分担してママは叱り役、パパは慰め役になっている家庭がありますよね。
皆が叱ってばかりいて逃げ場がないのはいけませんが、家族で教育方針が違ったり対応が異なると子どもはとても混乱します。
■こんな状態だと子どもが混乱します
・母親は好き嫌いしたら凄く怒るけれども、父親は“食べたいものだけ食べていればいい”と言う。
・母親は遅くまで子どもが起きていると叱るけれども、父親は夜更かしをしても許している。
・母親は食事中、肘をつくと注意するけれども、父親は“どんなスタイルで食べても自由”と許している。
こんなことをしていると、母は悪役、父は良い人と子どもは思います。なんだか、お母さんは損な役割になってしまいますよね。
■躾の基準は一致させよう
同じことをしたときの対応が180度違うと子どもは混乱し、やがて相手を見て行動するようになります。
だからといって一人の子どもに対して家族みんなが叱ってばかりいると子どもはきついです。父親、母親の4つの目で監視。子どもはとても窮屈。だからメインで叱る人とそれを見守る人の役割分担するのがよいでしょう。
次のように基本方針は一致させましょう。
・母が好き嫌いをすると叱る。父は「その通りだ、全部食べよう」とアドバイスする。
・母は「早く寝なさい」と叱る。父は「朝、起きられなくてしんどい思いをするぞ。おやすみなさい」と言う。
・母が肘をつくことを注意する。その後、肘を下した子どもを見てパパは「その方が行儀がいいんだぞ」と言う。
強い叱るのはお母さんでお父さんはそれほどには言っていませんが、躾の方針が完全に一致していますね。
■躾は人に従わせるのではなくルールに従わせる
小学校でも甘い先生の前ではやりたい放題、厳しい先生の前ではおとなしくしているなど前に立つ先生により態度を豹変させる子ども達がいます。
でも、躾は人に従うのではなく、ルールに従うことです。いつなんどき、誰の前でもやってはならないことは自分を律してコントロールすることです。
バスの中で怖いそうなおじさんがいなくても、車内では静かに座っていることを学ばなければなりません。「ほら怒られるわよ」とか「前の叔父さんが怖い顔して睨んでいるわよ」と言うのは“ママは騒いでもいいと思っているけれども、あの人が怒るから静かにしていなさい”と言っているのと同じこと。一致していません。
これではマナーを学習出来ませんね。
こんな時は「電車内で騒ぐ人は電車に乗る資格はありません。次の駅で降りて歩いて行きましょう」とか、お出かけ前に「電車内で騒ぐんだったら遠出しないで、近くの公園で遊びましょう」と言えばいいんです。
夫婦間だけでなく、お祖父ちゃん、お祖母ちゃんも対応を同じようにしてもらわないと子どもがうまく育ちません。“家族会議”を開いて家庭でのルールを決めましょうね。
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※この記事を書いた立石美津子さんの著書
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2024/11/21 更新