中学校でダンスが必修科目になりました。 なぜ学校でダンスなの?と疑問に思った方も多いのではないでしょうか。
プライベートのお稽古でダンスを習っている子どもは増えてきているようなので、好きな子だけやればいいじゃないか!と思ってしまう方もいるかもしれません。
ダンスにはどのようなイメージがあるでしょう。 ストリートダンスなんかは、夜の駅前や公園で練習をしている若者を見かけたりもすることから、チャライとか迷惑というイメージを持っている方ももしかしたらいるかもしれません。 ではなぜわざわざ学校でダンス人口を増やすような授業をするのでしょうか。
学校でのダンスは厳密に言うと、ダンスの種類を選ぶシステムになっています。
フォークダンスかヒップホップダンス、創作ダンスの3つの中から好きなダンスを選びます。
フォークダンスや創作ダンスは昔から体育でありましたが、新しいのはヒップホップダンスですね。 ヒップホップダンスはストリートダンスの中のジャンルの一つで、低音のリズムを身体に刻みながら踊っていきます。
最近では有名アーティストがテレビで楽曲を披露したりするときにも、ダンスを踊っていることが多いですね。 そのダンスもヒップホップダンスがベースになっていることが多いです。
厳密に言うと、ヒップホップと他のダンスの要素も組み合わさっていることが多いのですが、テレビなどで目にすることが多いので子どもも抵抗が少なく始められるというのもポイントのようです。 好きなアーティストのようにかっこよく踊りたいという気持ちから始めたっていいのです。
実際に、ダンスを好きだと思う生徒が半数以上を占めているというアンケートの結果も出ているようです。 学校での体育の授業ですが、好きなことができるのは大切なことですよね。
そもそも、ダンスを必修にしたからといって、子どものダンス力を上げることが狙いではないのです。
ダンスを通して友達や仲間とのコミュニケーションととること、自分の身体で表現することなどが目的とされているようです。 ダンスの上手い・下手は最重要項目ではないということ。 普段の体育の授業となると、運動神経のない生徒にとっては憂鬱な時間になっているかもしれません。
しかしダンスは、徒競走のように秒数を競うものではなく、幅跳びのように距離を競うものでもありません。 数字で結果がでる種目ではないのです。 そのため明確な勝ち負けがなく、純粋に楽しむことができるのではないでしょうか。
もちろんダンスの上手い・下手はあるでしょう。 この子のダンスが好きだな、と感じる個人の好みもあるでしょう。 しかしそれは、それぞれが判断すればよいことになるのです。 体育の時間が、うまく勉強の気分転換に変わるかもしれませんね。
またダンスは音楽がなくては踊ることができません。 体育だけでなく音楽的な要素も大切になってきます。 ヒップホップダンスは基本的には低音のリズムを取ることが重要ですが、他にも音楽に特徴がある箇所に特別な振付をつけたりもします。
音楽をきちんと聞き分け、身体で表現する、2つの力が必要になります。 振付もわざわざ難しいことをするのではなく、個性的な動きが評価されることもあります。 ダンスの経験がなくても、創造力を生かして自分を表現することができるのです。
このようにダンスは今までの体育の枠を越えている部分もあり、学校の先生が教えられないことが問題にもなりましたね。
確かに、教えるというレベルまで上達するのには時間がかかるかもしれません。 しかしダンスに関しては「先生が教える」という感覚を捨ててもよいのではないでしょうか。 生徒と一緒に授業を作っていくスタイルがあってもいいように感じます。
ダンスが得意な生徒が中心になって授業を進めていけばよいのです。 そもそも授業でダンスをするからって、ダンスを上達させることが目的ではありませんでしたよね。
生徒同士でコミュニケーションをとりながら、ダンスを作り、授業を作っていくことが本来の目的につながるのではないでしょうか。 ダンスは一人ではできないものですね。 ヒップホップダンスだけではなく、フォークダンスも創作ダンスも仲間がいてこそ成り立つ種目です。
少子化でクラスの人数が少なくなってきたり、ネット社会でSNSなどが日常的なツールになってきた現代です。 ダンスをすることで、自分の意見を出したり、他人の意見を認めたり、更には大人数で一つのフォーメーションを作り、一つの作品を作ることがダンス力向上以外の効果もあるのかもしれないですね。
人とのかかわり方を考え直すようなポイントがダンスには込められているのかもしれませんね。
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2024/11/20 更新