小学校の頃は、冬休みといえばとても楽しい2週間で、あっという間に過ぎてしまうくらいはしゃいだ記憶があるのではないでしょうか。
しかし、中学になると、勉強も難易度が高まってきて、しかも宿題まで出され、場合によっては新学期になってから実力テストなどを課される学校もあるので、同じ「あっという間」でもケタ違いのつらさを感じるのではないでしょうか?
今回は、中学生の冬休みの効率的な過ごし方についてお話ししていきましょう。
<中学1年生はスタートの重要性を感じること>
中学1年生は小学生から学校が変わった最初の学年であるため、「スタートの学年」と言えます。
それだけに、ここでどのような冬休みを過ごすかによって、中学生活が大きく変わってくると言っても過言ではありません。ダラダラと2週間過ごすクセが付いてしまえば、そのまま残りの2年間も駆け抜けてしまうでしょうし、しっかりメリハリを付けた生活が出来るようになれば、その先も安心して過ごせるでしょう。
では、具体的にはどのようにして過ごすのが良いのでしょうか?
基本的に大事なのはいつもの勉強と同じく、「予習と復習」です。特に重点を置いてほしいのは「復習」ですね。中学に入ってから学ぶ内容は、どの教科を取ってみても難しいものになります。
まして、4月~12月ともなると、学習した内容も非常に多くなるはずです。
しかし、3年生になって受験勉強を始めてから「分からない」ということに気づくよりは、1年生のうちにリカバーできてしまった方が好ましいことは言うまでもありません。
とは言っても、2週間しかありませんから、「ここが特に苦手!」「ここが全然わからない!」という単元をある程度絞ってしまってから対処していくとより効率的に勉強できると思います。
5つの教科それぞれにおいて、「苦手単元」をある程度ピックアップしておき、そこを2週間で固め直すということを目標に過ごしていけば、かなり効率の良い勉強が出来るのではないでしょうか。
もちろん冬休みも部活や家族の行事、そして何より遊びだってしたいでしょうから、勉強だけをしている必要はありません。あくまで重要なのは「メリハリ」を付けて勉強もしっかりやることなのです。ダラダラと勉強を何時間もしているくらいなら、1日2時間と決めて集中してやってしまう方が身に付くものです。
その上で、余裕が少しでも出てきそうならば、3学期の予習にも着手してみてください。1年生の3学期は最後の締めでもあるので、難しい単元も少しずつ増えてきます。
それに少しでも対処できるように、早い段階から内容を確認しておくようにしましょう。そうすれば後になってまた困った事態に陥ることは少なくなるでしょう。
<中学2年生は受験を意識して>
中学2年生は「あと3か月で受験生」という非常にきわどい時期です。
この時期をどう過ごすかによって、「受験生になってからの1年」が決まってくるのです。
ここで「最後のダラダラだ!」などと緩んだ方向に進んでしまったら、受験生になっても結局は同じような生活をすることになるでしょうし、「もう受験生になるんだから、今から少しでもやっておこう」という意識が持てるようになれば、受験勉強もスムーズに進められるでしょう。
また、受験生になる前の意識として「高校についての知識」もしっかり付けておきましょう。
具体的には「どの高校が自分には合っているのか?(レベル・校風など)」「私立大学の併願校はどこを受けるべきなのか?」「合格最低点はどれくらいなのか?」「通うとしたらどういうふうに通うのか」などといった部分です。
「ただ勉強する」というだけは何のモチベーションにもならないかと思いますので、少しでもやる気が起きるように高校についての知識も頭に入れておきましょう。
その時点で「ここに行きたいけど自分には無理だ」「自分はこの辺でいいや」などと思わないでください。妥協を覚えてしまうとその時点でモチベーションは上がりません。「ここに行きたいから必死で勉強しよう!」と思うことこそ、モチベーションの元なのです。人間は上を見れば見るほど、結果としても底上げされることが可能になるのです。
<中学3年生は私立高校入試直前対策を>
中学3年生の冬は、言うまでもなく、受験勉強の最終段階に突入しています。気を緩める瞬間などはあってはなりません。では、どのような意識を持って臨めば良いのでしょうか?
まず中学3年生の直近のイベントとしては私立高校入試でしょう。私立高校の入試は早い所だと1月の初旬に試験があります。遅くとも2月の上旬には試験があります。それに向けて勉強をすることこそ、この時期の中学3年生のやるべきことなのです。
私立高校は知識問題などが多めに出題されることが多いので、知識の最終確認をしておくことがまず第一に重要となります。
国語で言うなら漢字の読み書き、慣用句、ことわざなど、比較的短期間で覚えられるものばかりです。
数学に自信のない人は、最低でも簡単な計算問題はできるくらいにしておきましょう。それが出来るようになってきたら、各大問の最初の問題程度は確実に点が取れるようにしておきましょう。
英語はこの時期に文法やら読解やらをがっつり進めてもなかなか頭に入ってきません。英語に関してやれることは、やはり「英単語」の暗記に尽きます。単語をたくさん頭に入れておけば、長文問題などでも少しでも意味を取れるようになります。それができるのとできないのでは、大きな違いになってきます。
そして何よりしっかり力を入れてやってほしいのが「理社の詰め込み」です。理科や社会は最後の最後に詰め込むことが可能な科目なので、ここから1~2週間である程度は詰め込むことが可能になります。ここで理科社会を詰め込めれば最後の追い込みとしては上出来だと思います。
この最後の頑張りで、入試の得点を何十点も伸ばすことができます。入試は1点2点を争う戦いですから、テストまでに1点でも多くもぎ取れるようなトレーニングをしておきましょう。ここで私立入試をしっかり合格できれば、県立入試ではさらにその知識を固めて合格を勝ち取ることができるはずです。
<冬の中学3年生に特に伝えたいこと>
中学生にもなると、友達も増え、もしかしたら恋人も出来、さまざまなイベントを楽しみたいと思う人も増えてくることでしょう。
まして、冬休みともなるとクリスマスやら年末年始やらで、そういう相手とともに過ごしたいという気持ちも高まってくることでしょう。
しかし、中学3年生に特に言いたいのは、「これから長い人生において、そういうイベントを楽しむことはいくらでも出来る。確かに中学3年生の冬は人生で一度しかないけど、その一度を気持ちの赴くままに過ごしてしまったことによって、3か月後に人生を左右するほどの厳しい現状が待っている、なんてことになるのはとっても悲しいことである」ということです。
そんな思いをするくらいなら、一度くらいの冬を勉強に費やしてみるのも悪くないのでは?
<最後に>
最後の方には厳しいことも書いてしまいましたが、やはり高校入試というのは人生の今後を左右しかねない重要なイベントでもありますから、後悔だけは絶対にしてほしくありません。
多少つらい思いをしてもいいので、その後の人生を楽しく、受験勉強を振り返った時にさわやかな気持ちになれるように、全力を尽くしてみませんか?
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2024/11/20 更新