私は、住まいの中には、さりげなく演出を考えます。それは、玄関から入り各居場所に行くまでに、天井の高さを変化させ、空間を感じ取れるようにしかけます。とても低い天井の空間から、高い天井の空間へ入った時は、より広く大空間を感じます。また、高い天井の大空間から、低い天井の空間へ入った時は、包み込まれたような感覚になり、とても落ち着きを感じるものです。
空間は、天井高さだけでなく、それぞれの居場所のつながり方や、仕切り方などで、感じ方が変わってくるとも思います。少し段差があるだけでも、なんとなくあいまいな境界線を感じたり、目線がずれて、見え方が変わってきたりします。
結局、平面プランだけでは、本当の住まいは、読み取れないものです。空間の感じ方は、人それぞれ個人差がありますが、小さい頃過ごした居心地の良い空間体験が影響しているのかもしれません。なので、自分の中でとても居心地が良いと感じた空間は、どういう空間だったのかをもう一度思い出す事で、新たな住まいづくりのヒントになるかもしれませんね。