住宅[373]

親の老後を一緒に 【介護】から考える二世帯住宅

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執筆者:竹下 啓子
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まず、バリアフリーは最低条件です。
床の段差は無くし、手摺を設置しておくか、設けられるようにしておくこと。1階に両親の部屋を持ってくることが多いと思います。両親の部屋の側にトイレや浴室などを配します。日当たりが2階の方がいいと言う場合もあるかもしれません。その場合は、2階でトイレや入浴、調理や食事がとれるようにプランしてください。将来住宅用エレベーターの設置ができるように、あらかじめスペースの確保をして構造を作っておくことも重要です。設置しない時は納戸などで利用できます。
 
車椅子になった時には開き戸よりは引戸の方が開閉しやすいので、予め引戸にするか、後からでも引戸に改修することができるようにします。有効開口は800mm以上を確保できるように。トイレや脱衣室などは広めに作っておくと介護はしやすいです。介護する部屋は、車椅子の移動や入浴介助などを考慮すると最低でも13㎡(8帖)、18㎡(10帖)程度あると良いです。親世帯のリビングを別に設ける場合は、そこが介護ベットを置く場所になるかもしれません。
 
寝たきりになってしまった場合、介護者は付きっ切りで介護をするのは精神的肉体的に苦痛になります。例え実の親でも、頑張り屋さんほど疲労します。程よい距離感が保てて、お互い気配を感じるような間取りが理想です。介護室の近くに介護者の部屋があり、呼ばれたらすぐ行けるように、襖やパーティションなどを閉めれば自分の時間が持てるような作りにすることをお勧めします。
 
介護が必要な状況になってから大がかりな改修工事をするのは、心理的に相当な負担となります。二世帯住宅を作る段階で、考慮してプランを考えてほしいと思います。

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住宅総合ランキング2024/11/21 更新

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