住宅[373]

【2.5世帯住宅とは?】単身者スペースはどうするべきか?

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執筆者:高田 和政

近年、親子2世帯に加えて単身者である兄弟、姉妹が同居する2.5世帯住宅が増えてきています。 

それぞれの家族のプライバシーに配慮し、玄関や水廻り等を独立させる反面、吹き抜けなどで緩やかに空間をつなげるプランが好まれているようです。 経済的な理由に加えて、子育てや防犯など大家族ならではの住み良さが注目されている理由でしょう。

ですが、なぜ3世帯住宅ではなく2.5世帯なのでしょうか。

以前では単身者にあわせた独立空間を間取りに取り入れる事は大きなリスクでした。 結婚して家族が増えれば当然手狭になるでしょうし、そもそも家族同士で住みながら、キッチンや浴室まで独立させる理由はありません。 それが世の中の結婚に対する価値観の変化に伴い、「一人で住む」という選択肢に違和感を感じなくなると、このように、まるで2世帯住宅+マンション1部屋という形態が生まれてきます。さらにはこの単身者の為の独立空間は賃貸物件としても利用できます。

家族で集まって住めて、収益性もある、この2.5世帯住宅ですが、妙な居心地の悪さを感じるのは私だけでしょうか。単身者の為のスペースがまるで、部屋にテレビと冷蔵庫を持ち込んでいた子供の部屋がそのまま大きくなったような印象を受けます。二世帯家族が代替わりしていく中、単身者はそこに住み続けるつもりなのでしょうか。 

なんらかの特別な事情でもない限り、このような考え方はとても閉鎖的で不健全に感じます。 

いくらニーズがあるとはいえ、してはいけない提案だと思います。 

そこで、単身者スペースはやはり賃貸物件として他人が住むのが良いのではないでしょうか。 

子育てにしても、他人が近くに住んでいるということは、その子供にとっても世の中との接点が増えるので良い影響となるでしょう。 二世帯部分も他人家族同士で住んでも良いのではないでしょうか。赤の他人である家族が気持ちよく住めるような2.5世帯住宅が増えれば、子育ても防犯ももっと気楽なものになるはずです。

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住宅総合ランキング2024/11/22 更新

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