就学時健診・・・歯科検診や内科健診とは違うドキドキ感があります。身体だけでなく脳や心の発達を診られるからです。健常児のお母さんであれば気にも留めない儀式、単なる通過行事。中には会場でママ友に久々に会えてワクワクする人もいるでしょう。
でもグレーゾーンの子ども、少し怪しい子どもを持つ母親にとっては最後の審判を受けるような暗い気分、まな板の上の鯉状態、その日をドキドキハラハラで待っていることでしょう。
就学時健診とは身体の発達や、知的発達の度合いが検査され、健常児であれば普通学級に心身に障害があり特別な支援が必要な子どもの場合、特別支援学級あるいは特別支援学校に行くようアドバイスされます。
知的に遅れがない場合は障害児は普通学級に入学することになりますが、そうではないグレーの場合は特別支援学級や通級制度を利用するように告げられます。(※通級とは、日本の義務教育に通常の学級に在籍していながら個別的な特別支援教育を受けることの出来る制度) 小学校には下記の4種類あります。
●盲・聾・知的障害児のための独立した学校 2006年までは「養護学校」という名称
※先生2名 対 生徒7名(重度重複児のクラスは2対3)
●特別支援学級(通常学校の中に併設) 2006年までは「特殊学級」という名称
※先生1名 対 生徒8名
普通学級に籍を置きながら特別なクラスに何日か通う形式
※全ての学校に併設されていないので通級クラスのある学校へ週何日か通う形になる。
通常の健常児のクラス
※先生1名 対 生徒35名~40名
お気づきだと思いますが、あくまでも“アドバイス”の形をとっています。強制的な命令ではありません。親が拒否する余地があります。
年長さんになった10月~11月に就学時健診は行われます。
保護者も我が子が生まれて6年間、普通の子ども、あるいは、普通の子どもよりちょっと個性が強いだけと思っていたのに、この日に突然、「発達の偏りがある、障害が疑われるので支援学級に入学することをお薦めします」と言われ、そうすんなりとは受け入れることが出来ません。
受け入れないどころか中には「うちの子どもを馬鹿者扱いにした!」と行政側を訴え、裁判になるケースも多々起きています。だから命じないのです。
逆の言い方をすれば、薦められた通りの学校に入学しなくてもよいということ。ここに親が子どもの人生に関わる重大な学校選択をしなければならないのにも関わらず、間違った判断をする隙間が出来てしまいます。
具体的にお話しします。 子どもにとって小学校6年間はとても大切な期間。日中、一番長く時間を過ごす学校が楽しい場所であることがとても大切です。授業内容がチンプンカンプン、特別な配慮されず、叱られてばかりいる、あるいは関心を持たれずお客様状態でほっておかれる、どちらもよくない環境です。
子どもは学校生活の中で成功体験、達成感を味わうことが出来ません。幼稚園や保育園のように“みんなで仲良く”と言った具合にはいかず、仲間でつるんだり、異質なものを排除したり、陰湿な苛めも起こります。
脳の神経伝達物質の問題で本人の努力ではどうしようもないことなのに、集団行動がとれない、極端に読み書き計算が出来ないことで孤立することもあります。