教育[725]

【動名詞】不定詞との違いと書き換えについて

28,052VIEWS

執筆者:門衛 教育運営チーム

中学生の時には「不定詞」と並んで動詞の活用をしたものに「動名詞」がありました。しかし、中学の動名詞は不定詞ほどは難解なところがなく、比較的容易に理解できたという人が多いのではないでしょうか?

ですが、高校に入ると今まで簡単だった動名詞が急に牙を剥いて襲い掛かってきます。そこで思考停止状態になってしまう人が非常に多くなるようです。今回は中学の動名詞と合わせて体系的に高校の動名詞を理解していきましょう。

<動名詞って何モノ?>

「~する」は「動詞」、「モノ・コト」は「名詞」というのは分かりますね?動名詞は読んで字のごとく、「動詞であるものを名詞の形にしたもの」のことを指します。

動名詞:形は「~ing」というように動詞にingを付けるだけ。

意味は「~すること」。

(例)
テニスは興味深い
Tennis is interesting.

(例)
テニスをすることは興味深い
Playing tennis is interesting.

もちろん不定詞の名詞的用法にも「~すること」という意味がありましたから、それでも書き換えることが出来ます。

(例)
テニスをすることは興味深い
To play tennis is interesting.

<前置詞の後ろは必ず動名詞>

inやatなど、「前置詞」と呼ばれるものは知っていますね?

前置詞の後ろには通常、「in Japan」「at the station」のように「名詞」が来ます。ここに「動詞」は入ることができませんが、どうしても入れたい場合は「名詞の形」である「動名詞」が入ります。いくつか例を挙げておきましょう。(一部、高校レベルまで含みます)

be interested in ~ing:~することに興味がある

be afraid of ~ing:~することを恐れる

be proud of ~ing:~することを誇りに思う

be sure of ~ing:~することを確信している

be fond of ~ing:~することが好き

be ashamed of ~ing:~することを恥ずかしく思う

<不定詞はダメで動名詞しか取れないもの>

さて、上記では「To play tennis」も「Playing tennis」も同じように書き換えられると言いましたが、そうでもない場合があります。

(例)
私はテニスをすることを楽しんだ。(楽しむ:enjoy)

ダメな文
I enjoyed to play tennis.

正解の文
I enjoyed playing tennis.

このように、「toはダメで、ingしか取れない」ものが英語には存在します。 中学まではenjoy, stop, finishの3つでよかったのですが、大学入試レベルともなると17個あります。しかし、それをバラバラに覚えていくのは非常に効率の悪い作業となりますので、ここではゴロ合わせを使ってラクに覚えてしまいましょう。

目的語(~を)にingしか取れないもの
megafepcis-DQ(メガフェプシス‐ディーキュー)

では、1つ1つ覚えていきますよ!1つの文字に2つ3つあることもあるので気を付けてくださいね。

m:miss(~し損ねる)・mind(~することを嫌がる)

e:enjoy(楽しむ)

g:give up(やめる)

a:avoid(避ける)・admit(認める)

f:finish(終える)

e:escape(逃れる)

p:put off = postpone(延期する)・practice(練習する)

c:consider(考える)

i:imagine(想像する)

s:stop(やめる) suggest(提案する)

d:deny(否定する)

q:quit(やめる)

かなり大変だとは思いますが、別個に覚えるよりは絶対に効率的ですので、早めに頭に入れてしまいましょう! 

<toもingも取れるが意味の異なるもの>

では、次にちょっと厄介なものをやりましょう。しかし、しっかりイメージをつかんでしまえば必ず点につながるので、早めに克服しておきましょう。 まずは覚えてほしいのは・・・

to:してない

~ing:した

という2つの識別です。なぜそれが必要なのかは、以下でわかります。覚えてほしいのは全部でたったの4つ!

①remember to ~:~するのを覚えている(覚えているだけで、実際にしてはいません)

remember ~ing:~したことを覚えている(実際にしたのです)

②forget to ~:~し忘れる(ということはしてませんよね?)

forget ~ing:~したことを忘れる(実際にしてますね?)

③try to ~:~しようとする(しようとするだけであって、実際にはしていません)

try ~ing:試しに~してみる(実際にしちゃってますね?)

④regret to ~:残念ながら~しなければならない(でもまだしてないんですよ)

regret ~ing:~したことを後悔している

これをバラバラに覚えると、やはり大変なことになりますが、「した」「してない」だけで識別できるようになれば、もう簡単に解けますね!

<様々な動名詞とその書き換え>

高校レベルの動名詞には覚えてほしい応用パターンが4つあります。それは「完了」「意味上の主語」「否定」「受け身」です。では、1つ1つ見ていきましょう。

完了:having PP(過去分詞)→訳は「~したこと」

意味上の主語:A ~ing→訳は「Aが~すること」

否定:not ~ing→訳は「~しないこと」

受け身:being PP(過去分詞)→訳は「~されること」

では、これを使ったどんな問題が出てくるのかといえば、それは「書き換え問題」です。 まずは以下を見てください。

(例)
私は教師であることを誇りに思っています。

上述したように、「~することを誇りに思う」は「be proud of ~ing」なのですが、その前に、この形もあるのだということも覚えてください。

I am proud that I am a teacher.

そして、これを「of」を使った形で書き換えると、

I am proud of being a teacher.

となるわけです。しかし、ちょっと変化することもしばしば。

(例)
私は教師であったことを誇りに思っている。

I am proud that I was a teacher.

これの書き換えには特に注意してください。ポイントは「thatの左より右の方が昔のこと」だったら動名詞を完了の形にするのです。よって書き換えは、

I am proud of having been a teacher.

となるのです。もちろん、「左が過去形、右が過去完了形」でも同じことができます。

(例)
私は(もっと昔に)教師をだったことを、(過去に)誇りに思っていた。
I was proud that I had been a teacher.
= I was proud of having been a teacher.

次は意味上の主語です。これは動名詞の前に、その動作をしている人・モノを置くだけです。

(例)
私は父が教師であることを誇りに思っている。
I am proud that my father is a teacher.
= I am proud of my father being a teacher.

さほど大きな変化はありませんね?しかし、気を付けてほしいのは「意味上の主語が代名詞の時」です。代名詞の時は必ず「所有格(~の)」か「目的格(~を)」にしなければならないという決まりがあります。ですから、

(例)
私の父は私が教師であることを誇りに思っている。
My father is proud that I am a teacher.
= My father is proud of my(me) being a teacher.

という形になるんですね。

次は「否定」です。これも動名詞の前に「not」を置くだけなので、さほど苦戦するところはありません。

(例)
私は正直でないことを恥じている。
I am ashamed that I am not honest.
= I am ashamed of not being honest.

これでも十分理解できますね。では、最後に「受け身」です。これも「being PP」という形さえ押さえていれば問題ありません。

(例)
私はみんなに好かれていることを誇りに思っている。
I am proud that I am liked by everyone.
= I am proud of being liked by everyone.

さて、これで一通りの「動名詞の応用」は説明したのですが、まだこれだけでは通用しません。テストに出題されるのは、これら4つを2つ以上組み合わせたパターンなのです。例をいくつかピックアップしていきましょう。

(例)
父は私がテストに受かったことを誇りに思っている。

(意味上の主語+完了) 完了は「having」、意味上の主語は「A ~ing」なので、合わせると「A having」になりますよね?よって 、

My father is proud that I passed the test. 
=  My father is proud of my(me) having passed the test.

となるのです。

(例)
私は皆に好かれていないことを恥じている。

(受け身+否定) 受け身は「being PP」、否定は「not ~ing」なので、合わせると「not being PP」となりますよね?よって、

I am ashamed that I am not liked by everyone.
= I am ashamed of not being liked by everyone.

となるのです。

このように、複雑に絡み合ったものであっても、ルールを理解してその通りに並べていきさえすれば、必ず解答にたどり着けるのです。ここまでが完璧になってくれば、動名詞はほぼマスターしたも同然です。あとは熟語などを着実に暗記して、100%自分のモノにしてくださいね!

【あわせて読みたい】
>>【不定詞】副詞的用法・形式主語・目的語・原型不定詞・to be

>>不定詞界のラスボス的存在「完了不定詞」

>>ステージごと英語の勉強法【小学生・中学・高校・大学・TOEIC】

>>【英語の分詞】現在分詞・過去分詞の説明や覚え方と分詞構文

関連記事

教育総合ランキング2024/11/24 更新

門衛PC版へ 
ページのトップへ戻る