[社会保障]伊藤亮太の易しく解説①「日本の社会保障制度の体系について」

伊藤亮太の易しく解説①「日本の社会保障制度の体系について」

2015/05/08

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伊藤亮太の易しく解説!
社会保障シリーズ

第1回
『日本の社会保障制度の体系ってどうなっているの?』

初めまして。ファイナンシャル・プランナーの伊藤亮太と申します。

普段はマネー関連、特に運用、不動産、相続事業承継、家計簿診断などについて執筆、講師、講演、相談を行っています(この他、FP資格試験、証券外務員資格試験対策講座なども行っています)が、大学院の専門が社会保障であったこともあり、この度、社会保障について解説記事を執筆させていただくことになりました。どうぞよろしくお願いいたします。

社会保障は大きく2つに区分される

さて、第一回目ということもあり、まずは社会保障にはどんな分野があるのか、易しく解説していきます。

日本の社会保障制度は、まず大きく2つに分けることができます。

1つが『社会保険』、もう1つが『社会扶助』です。社会保険とは、保険料をもとに、必要な人に給付を行う仕組みです。例えば、公的年金は働く世代が支払う保険料を主な財源として、高齢者へ給付される仕組みをとっていますよね。こうした公的な『~保険』とつくものが社会保険に該当します。

もう1つの社会扶助は、税金をもとに、必要な人に給付を行う仕組みです。例えば、生活に困っている人に対して最低限度の生活を保障するために生活保護制度がありますが、生活保護は税金をもとに必要な生活資金を給付します。

<日本の社会保障制度>

 【社会保険】

公的年金保険
(老齢基礎年金、老齢厚生年金、障害年金、遺族年金など)
医療保険
(健康保険、国民健康保険など)
介護保険
雇用保険
(求職者給付、雇用継続給付など)
労働者災害補償保険
(休業補償給付、障害補償年金など)
【社会扶助】

公的扶助
(生活保護)
社会手当
(児童手当、児童扶養手当など)
社会サービス
(児童福祉、障害福祉、老人福祉、母子寡婦福祉) 

社会保険は5つ、社会扶助は3つに区別される

さらに、社会保険では、公的年金保険、医療保険、介護保険、雇用保険、労働者災害補償保険(労災保険)の5つに区分されます。

国民年金や厚生年金は公的年金に該当します。健康保険や国民健康保険は医療保険に該当します。40歳以上の方が加入することになるのは介護保険。

会社員の方が失業に備えて、また安定的な雇用を確保するための給付などを受け取ることができるのは雇用保険になります。そして、会社員だけではなく、アルバイトやパートの方も加入する労災保険。

一方、社会扶助では、公的扶助、社会手当、社会サービスの3つに区分されます。生活保護は公的扶助に該当します。

お子さんがおられる方の場合、児童手当を受け取っていることかと思います。これは社会手当に該当します。この他、保育所サービスや老人福祉施設などは社会サービスに該当します。

こうしたてんこ盛りの内容をすべて含んだものが「社会保障」になります。そのため、一つ一つの制度を追っていくと、社会保障の解説は膨大な量となり、理解しがたい部分も多く、わかりにくいという声をよく聞きます。

今回、シリーズ化することで、社会保障制度をできる限り易しく、分かりやすく解説していきます。社会保障を学習すれば、ご自身の生活や将来設計に役立つのはもちろん、新聞などにおける社会保障の解説や日本の社会保障の現状理解も深まることでしょう。今後の解説を是非楽しみにしていてください。

伊藤亮太の易しく解説

第一回
>>「日本の社会保障制度の体系について」

第二回
>>「公的年金と私的年金の違い」

第三回
>>「国民年金に入る人ってどんな人?」

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