自分が考えるリスクを、保険でヘッジできているかどうかにかかっている
一方で、負担と受益のバランスが成り立たなくなっている現在の皆保険制度の下では、高齢者の医療費を賄うために現役世代の保険料が上がり続けており、保険財政は年金財政以上に深刻な状況にあると言えます。
こうしたなかでは、新しい医療技術への健康保険の適用を検討する中央社会保険医療協議会が、最新の医療技術を費用対効果で厳しく選別していく方向を示していることも致し方ないことかもしれません。
また、公的介護保険サービスにおいても、16種類の特定難病を除けば65歳以上の人しか利用できないことや、今後の高齢化の進展などを考えると、さらなる自己負担の増大とサービスの縮小は避けられないと考えておいた方が良いでしょう。
そうであれば、自分の身は自分で守るために、民間の医療保険や65歳未満でも保険金が出る介護保険を活用する意味合いは大きいと言えます。
平均で10年超にも及ぶ不健康な期間の身体的及び金銭的リスクにどう対処するかは、自分の生き方だけではなく、老老介護などを含む家族との関わりも大きいため、健康なうちから保険と貯蓄でどうバランスを取るか真剣に考えておくべきだと思います。
前回のコラム(保険は損得では語れない~保障ニーズに見合った保険料とは?)でも申し上げましたが、保険の本質は、万一のリスクに対する助け合いの仕組みに基づいた、経済的保障機能であり、保険料は準備したい保障に対する権利を得るための必要コストです。
保険商品自体に、良い保険や悪い保険などの区別はありません。「良い、悪いの判断は、自分が考えるリスクを、保険でヘッジできているかどうかにかかっている」と考えるべきです。
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2024/11/22 更新