[しつけ全般]「甘やかし」と「甘えさせ」のボーダーラインは?

「甘やかし」と「甘えさせ」のボーダーラインは?

2015/08/10

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私たちは、一人では生きられません。特に子どもには、愛されているという安心感が必要です。この安心感のもとでエネルギーを得て、成長へと進んでいくのです。

「甘えさせ」とは、子どもが不安なときに、力を与えるもので、次の成長へとつながる土台を作ります。

一方「甘やかし」は、わが子がかわいそうといった親の気持ちが主になっています。見極めは難しいのですが、子どもの「次」につながっているかどうかが決め手です。

ケース1 いつもはできるのに「着替えられない」とせがんでくる4歳・女の子に

子どもが「~して」「~できない」と言ってきたときには、本当にそれをして欲しいのか、それとも、とにかく関わりを求めているのかを見極めましょう。

関わりを求めているのなら、着替えを手伝ってやったとしても満足できず、また「~して」と言ってきます。たとえ舌たらずの話であってもしっかり聞いてやれば、甘えを受け入れてもらえていることがわかり、子どもの心は落ち着きます。気持ちの整理がつけば、着替えは自分できるでしょう。

ケース2 友だちにおもちゃを取られて泣いている3歳・男の子に

友だちと遊べることは、とても大切です。わが子がおもちゃを取られてかわいそうということだけにこだわらず、悔しいという気持ちを受け入れながらも、相手に気持ちを伝えましょう。

相手の気持ちを考えられるようになることは、次へのステップです。さらに遊びの仲介をしてやれば、友だちとは、たとえ何かあっても、いっしょに遊べば面白いし、自分にとって大事なのだとわかります。友だちから引き離すだけでは、次につながりません。

ケース3 「お菓子、欲しいの!」と店の前で泣く2歳・男の子に

駄々こねには手を焼くので、つい言う通りにしがちですが、また同じことを繰り返すだけです。だめな理由を話しながら、気をそらしたり、もっと楽しいことに気持ちを向けさせましょう。

子どもには、お菓子よりも魅力のある話や遊びがあるはずです。ていねいに相手をすることは、お菓子を買ってやることよりも手がかかりますが、子どもには、愛されていることを感じさせます。こんなやりとりの中で、自制もできるようになっていくのです。

ケース4 わけもわからず泣き叫ぶ3歳・男の子に

子どもにも、自分ではどうにもならない感情の揺れがあります。抱っこして親が感情を収めてやるだけではなく、感情を受け入れながらも、自分で泣き止むことができるよう援助しましょう。

泣かないで言葉で話せたらほめたり、「~だったのかな」とその理由を推し量ってやることは、子どもが自分自身を見つめるきっかけとなります。笑って楽しく遊ぶことを増やすことも、感情のセルフコントロールを高めることにつながります。

ケース5 注文したハンバーグが来たのに「これイヤ」と言って食べない4歳・女の子に

いつもと異なる言動の裏には、理由があります。体調もありますが、園での友人との争いや嫉妬など、心理的な理由もあります。

子ども自身が理由に気づいていないこともあるので、それとなく聞いてみましょう。自分を振り返るきっかけとなるかもしれません。思いを吐き出しているうちに、気持ちも整理できます。落ち着けば、ハンバーグにこだわる理由はなくなります。社会的な場でしていいこと、いけないことの違いも、理解できるでしょう。

ケース6 「1日1時間」という約束を過ぎてもゲームを続けている5歳・男の子に

1日1時間という約束の裏には、子どもの心身を配慮して、などといった理由があります。理由を話しながら、どうすべきか考えさせるのも、年齢が上がれば大事なやり方です。自制にもつながるでしょう。

また子どもは、より楽しいと思えることをするように出来ています。面倒と思わずに、子どもの相手をしたり、たまにはお父さんや他の人と遊びに出かけたりすることは、子どもの世界を広げます。他の楽しみがあれば、約束も守れるでしょう。

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