時計を読めるようにしておくと「早くしなさい!早くしなさい!」と一日中言わずに済み、「9時になったら寝ようね」「7時から夕食だから、玩具をそれまでに片付けようね」と時刻だけを伝えればいいので楽ですよね。
時計を見て子どもが自主的に行動するようになれば、言い争いも少なくなります。
でも、どうやって教えたらいいんでしょう。
そこで今日は、『1人でできる子が育つ テキトー母さんのすすめ』の著者の立石美津子が時計の教え方についてお話しします。
■小学校での教え方
小学一年生の算数の教科書では
・1時、2時、3時・・・と教える
・〇時半を教える
・〇時〇分を教える
この順番です。でも、幼児期に家庭で教えるときはこれに囚われる必要はありません。また、目に見えない時間の“半”という言い方が却ってわかりにくいので“〇時30分”でもよいでしょう。
■まず生活の中で体験しましょう
一日の生活リズムってだいたい決まっていますよね。時刻に関して何も会話しないで日々過ごすのではなく次のように言葉をかけることを意識しましょう。
「6時よ、おはよう!起きなさい」 「6時半になったら朝御飯だから、それまでに歯を磨いてね」 「今日の幼稚園のお迎えの時刻は2時30分だね」 「3時になったらおやつにしましょう」
これでなんとく時計がわかるようになります。
ポイントは1~12まで数字が書いてある針のついたアナログ時計を準備することです。“7:30”ように数字だけ書いてあるデジタル時計は時間経過が目に見えないのでお薦めしません。
■1~100まで数える
日常生活の中で数を数える体験を積ませましょう。クッキーの枚数を数えたり、幼稚園まで何歩で歩いて(あるいは何秒)行けるか数えたり、お風呂の湯船で「100数えてから上がってきなさい」などです。
こうすると実際、1秒はどれくらいの時間なのかが体験的にわかってきます。100までの数を順を追って唱えることも出来るようになります。
■時計の針で教える
「長い針が一周すると短い針が5分間分だけ進む」とか「長針が1を指していたら、5分になる」という理屈は子どもにはわかりにくいものです。
ですから、時計の小さなメモリを指して1~60まで声に出して読んでみましょう。可能であればこのように分の数字を書いて、長い針に注目させます。
その後“1時4分”を指して『これは何時何分かな?』とクイズを出してください。1時47分などほぼ2時に見える時刻ですと最初は混乱しますので、できるだけスタートした時刻に近い分で行ってください。
100円ショップで時計を買ってきて短針を取り外してしまい教えるのも方法です。秒針がついていたら、これも取ってしまってください。長針を教えるとき短針、秒針が気になってしまいわかりにくいからです。長針だけに注目させる工夫をするのです。
■時計は60進法
時計は60分経過したら分としては0に戻ります。メモリを数えることでこれがわかります。
この60で繰り上がる単元でつまずく小学生がいます。「太郎君は家を7時45分に出発しました。20分後に公園に着きました。公園の到着時刻は何時何分でしょう?」の算数のテストが正解できないのです。体験がないので頭の中で針を動かして考えることが難しいからです。
そのため筆算で教える単元まであります。でも、60で繰り上がることで又混乱するようです。
7時45分
+ 20分
7時65分
したがって8時5分到着
でも、普段の生活の中「今、7時45分だからあと、20分したら出かけるわよ」「ほらもう8時5分よ」と話しかけていれば頭の中で針を動かすことが出来るようになります。
■まとめ
小学校の教科書の教える順番に囚われることはありません。それから、学校に上がってから「算数の授業で教えてもらえばいい」と思ってもいけません。
学校では計算問題などに時間を割き時計の単元にはあまり時間をかけません。それから、机上で習ってもそれまでの日常生活で体験していないとなかなか理解できないものです。
幼児期に時計を読めるようにすることが大事なのではありません。まず「自分たちの生活は時計で動いているんだ」と感じさせることが大切ですよ。
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2024/11/20 更新