児童相談所に保護を求めていた男子中学生が自殺をしました。学校や友人間での「いじめを苦にした自殺」ではなく、両親が暴行を繰り返し、虐待を日常的に行なっていたことが理由のようです。暴力と虐待に堪えかねた少年は児童相談所に「保護してほしい」と繰り返し訴えていたという事でした。
このことについては報道記事で知ったことでしたが、三年も前から暴行を受けており、学校の通報によって親からの虐待を把握したとのことでした。
学校で起こっている「いじめ」に対しては、望ましい人間関係の在り方を構築することがとても大事な事と考えられています。また家庭においては、親が手本を示してみせ、子どもにさせてみて人間関係を結ぶ方法を教え、そして努力を認めてほめてやる、ということが「いじめ」を無くすことに繋がります。
さらには、家庭で「子どもの存在を認めてあげ、その子が持っている良い点を指摘して個性を伸ばすように努めること」が大切な事です。
望ましい人間関係とは、相互理解、相互尊重、相互信頼、相互援助、相互協力、切磋琢磨、公正な競走、裏表のない態度、などを指しますが、親が我が子に虐待や暴力を振るい、死に至らしめてしまう事態が度々発生しています。
今度の場合は、児童相談所に保護を求めていた少年が自殺をしてしまったのです。そればかりではなく、少年は「保護してほしい」と繰り返し訴えていたにもかかわらず適切な対応がなされなかったという悲惨な事件という事です。
親から暴行や、虐待を受けて親元で暮らせない子どもは約4万6000人にもなっています。5万人近い子どもが児童養護施設や乳児院で暮らしているという事であり、家庭で暮らせない、つまり我が家ではないということになります。
親は子どもの人格を尊重しなくてはなりません。過保護、過干渉も人格無視の一つですが、厳罰、残酷、拒否なども人格を無視した行為です。
子どもが成長していく過程には、欲求、思考、意見、個性などがあらわれ、それに対して親は認めてあげたり、指摘してあげたり、時には反論したり、提示したりすることで自立した成長へと繋がっていくことになります。それが家庭教育であり、躾でもあるのです。
子どもの人格を無視することで、子どもは身に付けるべき道徳性や自制心、忍耐力などが身につかなくなってしまいます。家での親の暴力や虐待は、教師による体罰や、子ども同士のいじめ、と同じように人権問題なのです。
子どもが「親から愛されていないのではないか」と親を疑ってみるようになり、そこに暴力がくわえられれば子どもは行き場を失ってしまいます。
子どもは、小さいころから一人の人間として自分の人格を大事にされたいと強く願っています。「一つの人格として扱う」をいう子育てを原則としましょう。子どもを持つすべての親は、よくよく自らの態度を吟味し、子どもの人格を尊重しているかを考える必要があります。
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2024/12/03 更新