さ:先に聞く
相手が話したがってるようなら、自分の話はさておいて先に相手に話をしてもらいましょう。「何か言いたそう」な雰囲気で察知できるのが聞き上手です。先に聞いて、その話に反応できればなおいいですね。
し:しっかり受け止める
聞く=相手を受け止めることです。聞いているそばから批判したり、説教したりすると相手は話さなくなります。評価をしないでまるごと受け入れましょう。話し手は聞いてもらえているという安心感に包まれます。
す:すぐに割り込まない
相手の話に途中から「あ、それ知っている」などと割り込むと、話が混乱します。子どもには「ちょっと待って、いま○○ちゃんが話しているからね」と、話に割り込まないように教えましょう。
せ:先入観に気づく
大人に多い思い込みです。経験があるだけに先入観が邪魔をして話を素直に聞けないことがあります。先入観に気づき、自分が間違っていたらその場で訂正しましょう。白紙の状態で聞くと思わぬ発見があったりします。
そ:その人を重んじる
常に聞く相手を尊重しましょう。子どもの話も親目線で聞くのではなく、子ども目線を大事にしましょう。そうすると共感できます。親目線だと正しいか正しくないかで決着をつけてしまいがちですが、相手の言うことを理解する方が先です。
わが子がどの程度、人の話を聞いているのか、親は意外と意識していないかもしれません。
友達が遊びにきたときに、子どもの様子を観察してみてください。話を独占していないでしょうか。話したがっている子がいるのに気づかないまま進めていませんか?
話を独占していたら「○○ちゃんも話したがっているからね」と友達の話を聞くようにさりげなく促しましょう。友達が帰った後にちょっと教えてあげるのもいいでしょう。「2回しゃべったら、1回は聞くようにしようね」などと具体的に教えるとわかりやすいと思います。
話し始めるとつい夢中になって、話したがっているのに気づかないことがあります。そこに気づかせてあげてください。話したがっている相手に話をさせることができるようになると、友人と良好な関係を築けます。誰でも自分の話を聞いてもらいたいのです。それがわかって話が聞ける子は、友人も増えるでしょう。
話の聞き方は、日常の場面で教えるのがいちばんいい方法です。
「お姉ちゃんが、いま話すところだからね、順番に話そうね」とか、逆にお姉ちゃんだけ話しすぎたらストップする、ということを普段から教えていれば、状況に応じた聞き方が身につきます。
聞くという行為は、このように相手を見ながら、状況に応じた対応が求められます。マニュアルでできるものではありません。マニュアルにだけ頼っていると目の前の状況に応じて頭を働かせて話したり聞いたりする能力が育ちません
相手が話したくなるように聞くのが上手な聞き方です。上手に聞くためには、相手をよく見ることです。話し手の表情や口調から察知してその人が本当に言いたいことを聞き出すようになれば、お互いの気持ちはぐっと近づきます。
相手の表情がこわばっていたら、助け船を出して話しやすくする。あるいは、「いまの話、こう聞いたけどそれでいいの?」と質問したり、リアクションすることで、その人は話しやすくなります。
話す気を失わせてしまうのが下手な聞き方です。典型的なのは自分の知りたいことだけ聞いて終わりにする聞き方です。会社でも結論だけ聞いてあとは聞かない上司がいます。部下が話したがっていることを聞けない上司のもとでは仕事はうまくいきません。
家庭も同じです。親は自分が知りたいことだけを聞きだそうとします。そうではなくて、子どもが話したいことをまず聞きましょう。聞きながら「それはこういうこと?」と質問もして、やりとりすると、子どもは聞いてもらっているという安心感をもてます。
聞く人がいなければ、人は話しません。会話を支えているのは聞く能力であることを忘れないでください。
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2024/11/22 更新