ほめれば、子どもはがんばれる。それは間違いではありませんが、実はとても大きな危険をはらんでいます。
大人の世界にも「慇懃無礼(いんぎんぶれい)」という言葉がありますよね。心にもないお世辞やほめ言葉はかえって相手に失礼で、信用を失いかねません。
子どもも同じです。親が心ここにあらずの状態だったり、心の中は怒りでいっぱいなのに「よくできたね」「あなたはいい子ね」などと言ったら、子どもはやる気が出ないどころか、「自分は相手にしてもらえていない、愛されていない」と心に大きな傷を負ってしまいます。
子どもの心を動かすのは、親が感動し、心を震わせているその姿です。ほめる行為、言葉というのは、あくまでも心が動いた結果なのです。
やる気を高めるには
目的意識
好奇心が足りない、あるいは欠けている場合でも、「テストで100点を取る」「徒競走で一番になる」など何か目的があれば、がんばれます。ただし、好奇心が元になっているやる気にはかないません。あくまでも好奇心が小さくなってきたときの補助的なものと考えてください。
好奇心
「これ、何だろう?」「あ、おもしろい!」「もっともっと知りたい」という観察力や探究心が、やる気の1番のエネルギー源です。この好奇心からくるやる気は同じことにずっと、何時間でも、何日でも夢中になれるほどの無敵の力強さを秘めています。
集中
やる気がある時は声をかけても気がつかないほど今やっていることに集中し、時間を忘れていつまでも続けます。それが何のためになるかわからないけれど、とにかく楽しくて夢中でやっているのです。 一方、やる気がない時は今やっていることに興味も関心も持てず、「やらなくちゃいけないから」やっているだけ。全然楽しそうではなく、集中もできません。
子どもの「やる気」の特性
「好奇心が持続すること=やる気」なのですが、子どもの場合、それはお母さんの機嫌に大きく左右されます。子どもにとって、お母さんは「心のよりどころ」です。
お母さんの心が不安定でいつも不機嫌な顔をしていると「自分が悪い子だからじゃないか」と不安で、好奇心を持つどころではありません。お母さんの愛情があってこそ芽生え、育つのが、子どものやる気なのです。
やる気を引き出すママがしていること
上手に気持ちを切り替える
どんなに陽気なお母さんでも気持ちが沈んだり、怒りにかられることはあるでしょう。ただ、そうしたネガティブな感情をいつまでも引きずらず、すぐに気分を切り替えます。例えば、子どもを叱った後、すぐに子どもと冗談を言い合えるようなママは、子どもの「やる気」を引き出すのがとても上手です。
叱っても、怒らない
子どもが、人の迷惑になるようなことをしたり、誰かを傷つけたりしたら「それはいけないこと」と叱り、諭すのは当然です。また、子どもが自ら危険を招くようなことをしている時には、厳しく叱ることもあるでしょう。でも、自分の気持ちで子どもに対して声を荒げたり、自分の対面を保つために怒鳴るようなことはしません。
人のせいにしない
子どもの「やる気」を引き出すママの大きな特徴は、いつもご機嫌で、物事をポジティブに考えられることです。何かトラブルが起きた時も、誰かのせいにせず、「自分にも原因があるかもしれない」と考え、すぐに改善策を取る。足りないことを嘆くのではなく、今あるものに感謝して少しでも楽しく過ごせるよう、自分で工夫する。そんなママです。
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2024/11/23 更新