子供の感染症と聞くとインフルエンザや胃腸炎など冬のイメージが大きいですが、実は夏にも感染症は多いのですよ。
夏に流行る子供の感染症と予防対策をご紹介致します。
【なぜ夏にも感染症が流行るのでしょうか】
感染症の原因はウィルスや細菌、カビなどの真菌が皮膚や口、鼻などの粘膜を通じて体内に入り込み、悪さをするので様々な症状を引き起こすのです。
6月の梅雨あたりから夏の感染症が増えだします。梅雨時期は高温多湿。夏はかなりの高温というのが日本の梅雨と夏。感染症の原因である細菌は高温多湿なほど増殖するから6月から夏に感染症が増えるのです。
そして夏は暑さで体力が消耗しやすい上に夏休みで生活のリズムが狂ったりすることで子供たちの免疫力が下がり、感染症にかかりやすくなる原因の一つです。 夏は夏祭りやプール、花火大会など様々なイベントがあり、人ごみの中へ出かける事も多いので、いろいろな菌をもらいやすくなるのです。
【夏に流行る感染症にはどんなものがあるのでしょうか】
・手足口病
コクサッキーA16などのエンテロウィルスに感染する事で起こる手足口病。
症状は手や足、口の中などに口内炎や水泡ができる病気です。水泡や口内炎と合わせて、発熱や食欲不振、おう吐、下痢などを引き起こします。 発症してから5日くらいで治りますが、特別な治療法はなく、水分をしっかり取って安静にするしかありません。
それほど重篤な症状にはなりませんが、頭痛やおう吐が続く場合は髄膜炎も起こしている可能性があるので至急病院に行きましょう。そして口の中に口内炎が出来るとかなり痛く、また子供ですから食欲不振になる場合が多いです。水分補給をしっかりすることと柔らかく飲み込みやすいものを与えると良いでしょう。
・プール熱
咽頭結膜熱とも言われているものです。アデノウィルスによる感染症です。
38度以上の高熱や結膜炎、のどの腫れなどが主な症状ですが、重症化すると危険な病気ですのですぐに病院に行きましょう。のどの炎症で食欲不振になりやすいので水分はしっかり取らせましょう。プールなどで水中感染もします。
プールの後に発熱があった場合はプール熱の可能性もあります。家族でタオルなどの共有はやめましょう。
・溶連菌感染症
溶血性連鎖球菌による感染症です。咳やくしゃみなどで飛まつ感染します。小さな赤い発疹を伴うしょうこう熱や、下にイチゴのようなブツブツが出来たり、首筋のリンパ節が腫れたりします。鼻水はあまり出ません。熱は3日程度で下がります。病院で抗生物質を処方してもらいましょう。
家庭や学校などではマスク着用をしてくしゃみをかけないように気を付けましょう。
・ヘルパンギーナ
夏風邪と呼ばれるものです。コクサッキーA群に感染することで起こる感染症です。
乳児から4歳以下くらいまでの子供に多く感染します。38度以上の高熱とのどの奥に水ぶくれが出ますので、かなりの食欲不振になります。とにかく水分補給をしっかり行うことです。
とくに治療法はないので水分補給と安静することで症状が良くなってきます。あまりにつらい場合は症状を和らげる薬などは処方してもらえます。 咳やくしゃみなどの飛まつ感染で移りますのでマスクは徹底させましょう。
【夏の感染症対策】
まずは、うがいと手洗いをしっかり行う事です。プールや運動をしたあとに家族や友達同士でタオルを共有したりするのは避けましょう。眠くてもその日のうちにシャワーやお風呂に入りましょう。
夏はプールで水虫に感染する事もあります。水虫菌が触れてから24時間以内に石鹸で洗い流せばほぼ感染しません。また、感染症にかからない身体にする為に日ごろから免疫力を高める生活を心がけましょう。
例えば、軽い運動を毎日行う、朝ごはんをしっかり食べる、良く眠るなど基本的な生活リズムを整えることです。人間は夜は寝て朝起きて日中に活動をするリズムで生きています。そのリズムに背く生活をしていると免疫力が下がっていきます。
また、朝食を食べないと脳はエネルギー不足で活動するスイッチをオンにする司令が脳から出ません。最近の子供は朝ごはんを食べない子供が増えていると聞きますから危険です。
夜遅くまで起きていると睡眠不足だけでなく朝起きられませんし、内臓機能の働きも鈍りますから食欲不振の原因ともなります。 まずは正しい食生活と日常生活のリズムを整えたうえで、その他の対策をプラスしましょう。 免疫力が高まっていれば、菌が身体に侵入しても発症はしません。
夏休みは学校がないのでついつい大人時間に合わせて行動しがちです。夏休みもいつもと変わらない子供時間に合わせて生活させると良いですね。 せっかくのイベントも病気になってしまっては楽しめませんし参加自体あきらめなくてはいけなくなります。 楽しい夏の思い出を作るためにも普段から生活リズムを整えましょう。
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2024/12/05 更新