全人口の6~10%も存在すると言われている“発達障害児” クラスの中に2~3人はいる決して低くはない確率です。周りのお友達にそんな子がいるかもしれません。もしかして、あなたの子どもがそうであるかもしれません。
今日は“子どもも親も幸せになる発達障害の子の育て方”の著者の立石美津子がお話したいと思います。
■お爺さん、お婆さんになってもずっと自閉症
どんなに医学が進歩しても、障害児はいつの時代も一定の割合で生まれます。
子どもを産むまでは私にとっても別世界のことでした。 更に医師から「お母さん、自閉症は生まれつきの脳の障害で一生治ることはないですよ」と言われてしまいました。
■親を選んでやってくる天使?
落ち込んでいるとママ友が慰めてくれました。 「子どもは親を選んでやってくるのよ。神様がくださった天使なのよ。立石さんなら育てられるからやってきたのよ」
けれども、心のなかで「綺麗ごとを言わないでよ。神様に選ばれたくなかったわよ。ああ、運が悪い……!」と叫んでいました。
「五体満足な子でありますように。健康で元気な赤ちゃんが生まれますように」……。これから母になる人は願います。誰も好んで「障害のある子を産みたい」なんて思っていません。
だからママ友の親切な言葉は、受け止める側にとっては善意の押し売りでした。
育てにくい子の子育てに疲れ果ててしまい鬱病になる人、虐待をしてしまう人だっています。さらに出生前診断を受けた人のうち9割が堕胎している現実……。 ですから、神様は育てられる親を選んで子どもを授けるわけではないと思うんです。
■健常児でも、障害程度が軽くても根っこは同じ
息子は知的障害を伴う自閉症です。ですから、いわゆるグレーゾーンの子どもには当たりません。(※グレーゾーンとは・・・アスペルガー症候群などを含む、白か黒か診断の難しい発達障害の俗称)
けれども、健常の子も障害児もその障害程度が軽くても重くても、子育ての根っこは同じだと思うんです。
例えば
子どものあるがままを認めず健常児に近づけようと必死に訓練したり… 小学校の選択を誤ってしまったり…
「担任やママ友に障害があることを知られるのは恥ずかしい」 「レッテルを貼られてしまう」 「障害があることは可哀想なことだ」 こんな風に思ってしまったり・・・
他の子と比べたり…
「あなたのここが改善したらあなたは幸せになる。ママも幸せになる」の気持ちがどこかに潜んでいたり…。
でも、これでは子どもも親も幸せにはなれないと思うのです。
イラスト (C)今井久恵
■まとめ
2歳で診断を受けたとき、他の子どもを見ること自体が、イコール息子との違いを見せつけられることで、ストレスの原因になり“比べる病”にかかってしまいました。
でも、障害受容し、子どもの世界に寄り添うこと16年、今では子育てが楽しいです。
もし、幼い頃にあるがままのわが子を受け入れず、特性に合わない幼稚園、保育園、小学校に入学させたら・・・おそらくつまでも「健常児に追いつけ追いつけ」と必死になり、その差を感じて悶々とする毎日だったと思います。
息子も親から他の子と比べられて自己肯定感のかけらも育たず、きっと楽しくない日々が続いていたと思います。
発達障害の子の子育てには“障害受容・療育選び・ママ友や担任やクラスメートへのカミングアウト・学校選び”など、子どもの将来を左右する“分岐点”があります。
けれども、その環境の与え方、育て方でお母さんもお子さんも幸せになれると感じています。皆さんはどう思いますか?
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2024/11/20 更新