算数、数については、幼いうちから恐れずに親しんでおくに越したことはないと考えております。
しかしながら私自身は、両親があまり数に長けた人物でなかったということもあり、数字に対しては30を過ぎた現在においても、正直恐怖感が拭いきれません。
自分に子供が生まれた際に、算数だけは・・・と考える日々です。
一番良いのは、珠算ではないかと考えていますが、良い教室が周囲にないということも考えられます。また、数学大好きな友人の数学講師などは、決して幼いころからそろばんを習っていたというわけではないのに、数に対する恐怖感はゼロです。
ここでは珠算を習わない場合の、お子様の算数教育について触れていきます。
遠山啓先生という数学者の先生が、「算数はこわくない~おかあさんのための水道方式入門~」というご著書の中で、こう仰っています。
「子供を算数好きにするには、幼い年齢から遊びの中で算数の準備になるような考え方を自然に身に付けるようにしたらいいのです。」
ここだけ抜粋すると伝わりにくいかもしれませんが、先生は、算数・数学は正しい方法で学びさえすれば、決して難しいものではなく、誰にでもわかるはずのものであるという内容で書かれてあります。
私はこの考え方に賛成です。そもそも私は、幼稚園に通い始めたころから、幼稚園の先生が怒る理由がわからずに、ひたすら「逃げる人生」「避ける人生」を始めてしまったために、とにかく全力で逃げました。
「言語」に関してのみは、「これに長けてさえいれば、いざという時に先生を巻ける」という魂胆がありましたので、習得に困難なことはなかったと記憶しているのですが、計算や算数に関しては、自分で考えているよりも、誰かしっかり考えて先に答えを出した仲間を利用するほうがより遠くへ逃げることができたので、そのようにしていました。
すると、算数・数学のまったくできない子供を経て、大人へと成長してしまいました。
自分の力で考えることこそが、算数・数学を理解し、ひいては人生の充実へ繋げるための第一歩なのです。
そこを疎外してはいけません。数を恐れずに、数から逃げずに、トラウマを克服して、まずしっかりと保護者様が向き合うことで、お子様も、遠山先生のおっしゃるように「算数の準備になるような考え方」を身につけやすい環境が整うのではないでしょうか。
次も、遠山先生の本からの引用です。
「子供は、トンチ話やナゾ解きが好きなように、頭を使うことが大好きです。~~略、なぜ、数学嫌いが出てくるのでしょうか。~~略、指導の内容と方法、すなわち教科書のもとになっている文部省の学習指導要領に原因があると思われます。」
つまり、テストテストというスピードの流れに乗れない、ゆっくり考えるタイプの子供がたくさんいて、そういう子供たちの中に、実に独創的な子供がいる、ということを仰っています。
エジソンが「2+2はなぜ4になるのか」という質問をして、先生を困らせるような「出来ない子」であったのは、有名な話です。
難しすぎる暗算、難しすぎる応用問題は、お子様を算数嫌いにしてしまう可能性が高い、という遠山先生の考えには、私も賛成です。
まずは家で、量、数について、小さいうちから市販のドリルなどを使って、保護者様や保育園、幼稚園の先生と楽しく学んでいくことが効果的ではないでしょうか。
保護者様がお忙しいようでしたら、家庭教師の先生を雇うのも良い方法だと思います。
数に恐怖心、嫌悪感を抱かせない教育を施すことで、小学校高学年になってからのお子様の数学力はおおいに発揮されていくことでしょう。
少し理想論にすぎるかもしれませんが、私の算数・数学に関する見解は、今のところこのようなものです。
まず大人が好奇心をもって、幼いころに捨ててしまった「数」への親しみを取り戻してみましょう。また、「数」への恐怖心を、まず大人が癒してみましょう。面倒に感じられても、逃げずに取り組めば、お子様には伝わっていくのではないでしょうか。
保護者様にとっては、ドリルのみではなく、大人向けの数学の参考書や、算数の本を読んでみることも、まず大人が数を恐れずに理解することに一役買うと思われます。お子様とともに成長するために、算数・数学はとても素晴らしいツールとなるに違いありません。
私自身も子供を産む前に、少しでもそのように、冒頭に述べました「数」への恐怖心を取り除いておきたいと考えています。
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2024/11/21 更新