東日本大震災で、ご家族を亡くされた方に会い、何を話したらよいかわかりませんでした。そこでじっと話を聴いてあげることにしました。
被災地の方が語ってくれた言葉は、まさに「命の叫び」でした。「聴く力」を持った途端に、人々の言葉が胸に突き刺さってきたのでした。そして悲しみの言葉が耳に深く刻み込まれたのでした。
読解力とは、言葉を発した人の「思い」を受け止める「聴く力」なのです。
震災を詠み込んだ俳句や短歌が発表されています。日本人が千数百年前から「凝縮した思いを込めた言葉を定型という器」に盛り込んだ詩歌です。
短歌、俳句、詩にはそれぞれの「人の思い」が集約され凝縮され、洗練された言葉となって「ぎゅうっと詰まっている」のです。だからこの言葉に触れると。感動し、想像力が膨らみ、同じ思いになれるのです。
これが「読解力」なのです。
「物語り」を小さいころから読み聞かせることも「聴くこと」につながり読解力を養います。「詩」は読んで聞かせることが自然な形式ですが、小説は想像力を養い、想いを広げます。
読解力を伸ばすには、まず、俳句、短歌、定型詩、口語自由詩へと何度でも声に出して読み進めることが大事です。「ぎゅうっと詰まった言葉」からどれほどたくさんの思いを汲み取ることができるのでしょうか。
子どもさんが、これらの作品を読み終えたら、ご両親は子どもさんがこの作品からどんな思いを読み取ったかを必ず聞いてあげてください。これで文章の読解力も必ず伸びるはずです。
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2024/11/23 更新