少子化が進む現代では、ほとんどの学生が希望すれば大学に入ることのできる全入時代となりました。
しかし、大学に入れば将来が安泰という時代はすでに終わっています。今は競争が激しくなっており、より上の大学を目指さねば将来が危ういとも言われています。では、その競争を勝ち抜くためにはどうしたら良いのでしょうか?
<競争のスタート地点は小学生?>
よく高校生向けの塾のチラシに「偏差値○○から東京大学へ」などのうたい文句があります。もちろんそれは受験勉強のスタート時点で全く勉強をしていなかったがために、非常に低い偏差値からスタートしているということを意味しています。しかし、そこには宣伝要素が盛り込まれていることが非常に多いのです。
例えば、偏差値40からスタートしたとは言っても、実際にはその生徒が通っているのは偏差値50の高校、つまり入学時には土台として偏差値50の力は持っていたということになります。もともと持っていた力を再び呼び起こすとなると、労力はかなり使いますが、元々なかったものを創り出すよりは楽に進めることができます。そう考えると、本当の大学受験競争のスタート地点は小学生にまでさかのぼると言えるのではないでしょうか。やはり小学生の時に勉強で躓いた生徒は中学に入っても下の方にとどまり、高校もレベル的には満足できる所には入れません。
ですから、小学生のうちにコツコツと基盤を形成できていることが必要となります。四則演算が満足に出来ずに分数や少数の計算はできませんし、ましては方程式など到底できません。簡単な漢字が書けない小学生は、中学以降の漢字をいくら習っても頭に入ってきません。小学生の頃の勉強は、その後の6年を占う重要なポイントと言っても過言ではありません。
<小学生のうちにはどのような勉強をするべきか>
小学生の頃から勉強を、と言うとなんだか「お受験」を想像してしまいますが、そんな堅苦しいものとして捉える必要はありません。基本的に身に付けておきたいのは「計算力」「識字能力」「読解力」の3つです。計算はとにかく一生続いていく勉強です。スポーツで例えるならば「体力作り」のようなものです。計算をたくさんやって、スピード・正確性を高めた生徒は、後の数学を解くスピードが圧倒的なものとなります。
そういう意味では、助けとなるのは「そろばん」ではないでしょうか。計算をする時に筆算を書かないと出来ないという人は、書くスピードと同じスピードでしか物事を考えることができませんが、そろばんを習得して暗算が出来るようになっている生徒は書かずとも頭の中で計算が出来るため、脳が常に活性化した状態となります。
また、識字能力にしても同様です。普段から多くの漢字を練習し、読み慣れている生徒は、文字を見て認識するという力がはぐくまれていきます。それを使って、次の「読解」の段階に進むことができます。文字が速く読めるということは、文章が速く読めることにつながります。文章が速く読めると、よりたくさんの本を読む機会ができます。そのように本をたくさん読みこんでいる生徒は高校生になって難解な現代文を読んでもスッと頭に入ってくるようになります。そうなると勉強のスピードは一気に加速していくでしょう。
<最後に>
勉強は楽しいものではありません。どちらかといえば辛くて大変なものです。しかしそれは「良薬口に苦し」というように、必ず経験しておかねばならない通過点なのです。そんな大変なものでも、日々成長しているのが実感できると楽しくなるのではないでしょうか。そのためにも家族で一致団結して協力できる体制が望ましいですね。
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2024/11/21 更新