[高校生]【不定詞】副詞的用法・形式主語・目的語・原型不定詞・be to

【不定詞】副詞的用法・形式主語・目的語・原型不定詞・be to

2015/08/05

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中学で学習した不定詞は、一度しっかり克服してしまえば、そんなに苦労はしませんでしたね?

「~すること」「~するための」「~するために」「~して」の4つを頭に入れておけばほぼ全ての問題は解くことができました。

しかし、高校レベルの不定詞ともなると中学の倍以上の学習量があるため、多くの高校生がこの単元で躓いてしまいます。ですが、これも全ての内容をバラバラにやろうとするから知識が断片的なものになってしまうのであって、体系的に固めていけば確実に理解につながる単元なのです。では始めていきましょう。

<中学では出てきていない副詞的用法>

中学の時には副詞的用法には「~するために」と「~して」の2つしかありませんでしたが、高校ではさらに3つ出てきます。それを1つ1つ整理していきましょう。

★結果の不定詞
まず最初は「結果」と呼ばれる用法で、意味はそのまま「その結果~」というものになります。しかし、これはある程度までは出題される言い回しが決まっているので、暗記してしまった方がラクに進められます。

①live to be ~ years old
:~歳まで生きる(生きたその結果~歳になる)

②wake up to find ~
:目が覚めて(その結果)~に気付く

③grow up to be ~
:成長して(その結果)~になる

④only to ~
:だが結局~しただけだった

⑤never to ~
:(その結果)二度と~しなかった

この5つをしっかり覚えておけば結果の不定詞の問題に当たっても問題なくクリアできるはずです。

★判断の根拠の不定詞
皆さんは、誰かが優しいと感じることはありますか?もしあるとしたら、その判断には根拠はありますか?間違いなくあるはずですよね。何の根拠もなく、誰かが優しいだなどと判断を下すことはできませんよね?そういう時に使うのが判断の根拠だと思ってください。

使い方は中学の時の副詞的用法と全く同じです。一番ラクな訳し方は「~するなんて」です。

(例文)
私を助けてくれるなんて彼は優しいな
He is kind to help me.

★形容詞修飾の不定詞
名前だけ聞くと「形容詞的用法と何が違うの?」と思ってしまうかもしれませんが、形容詞的用法は「名詞にかかる用法」でしたね?それに対して形容詞修飾は「形容詞にかかる用法」です。例文で確認しましょう。

(例文)
This book is easy to read.
(この本は読むのが簡単だ)

(例文)
He is difficult to deal with.
(彼は扱うのが難しい=扱いにくい)

やり方は形容詞的用法と似ていて、「形容詞の後ろに置く」だけで良いのです。

<形式主語・形式目的語>

例えば、「英語を毎日一生懸命勉強することはあなたにとって重要です」を英語にすることを考えてみましょう。

この文の主語は「英語を毎日一生懸命勉強すること」ですから、「~すること」の不定詞を使って、「To study English hard every day」となります。

「~は重要です」は「~is important」ですね。「あなたにとって」は「for you」となりますね。これをつなげると、

「To study English hard every day is important for you.」

となります。もちろんこれでも正解なのですが、英語は長いカタマリは後ろに置きたがる言語なので、できればそうしたいというのが本音です。

今回は主語があまりにも長いため、「君はちょっと長いから後ろに行ってくれ。代わりに俺がそこに入るぜ」と言って入り込んでくる奴がいます。それが「It」です。

よって、

It is important for you to study English hard every day.

という文が理想の形となります。しかしこのItには「それ」などという意味はありません。特に訳す必要はないのです。ですから「形だけの主語」という意味で「形式主語」と呼びます。

それに対して「形式目的語」はさらに苦労する人が多くなります。でも結局はやることは同じなのです。たとえば「私は英語を毎日一生懸命勉強することは難しいと分かった」という文に注目してみましょう。

高校1年生の1学期に「AがBだと分かる」というのをやりました。これは「find O C(Oは目的語・Cは補語)」というように書きましたね?

今回は「O = 英語を毎日一生懸命勉強すること」「C = 難しい」なので、

「I found to study English hard every day difficult.」

となるかと思いきや、これは大きな間違いとなります。やはり「長いカタマリは後ろに」のルールを考えれば、これを後ろに置く代わりに「俺が入るぜ」とばかりに「it」が再登場します。ですから、

「I found it difficult to study English hard every day.」

となります。このitは「形だけの目的語」なので「形式目的語」と呼びます。

<原形不定詞>

今までは「不定詞=to + 動詞の原形」でしたら、高校に入ると「動詞の原形だけなのに呼び方が不定詞」というものが出てきます。しかしこれは大きく分けて2つしかありません。

それは「知覚動詞」と「使役動詞」の2つです。まずは知覚動詞から見ていきましょう。

知覚動詞とは:「知覚」という名前の通り「見る」「聞く」「感じる」などの動詞
知覚動詞の公式
知覚動詞O原形

例文
I saw him enter the room.
(私は彼がその部屋に入るのを見た)

たったこれだけの形を覚えるだけです。

他には「hear」「feel」「notice(気づく)」などでも使えます。では使役動詞とはどのような動詞なのでしょうか?

使役動詞とは:「~させる」という意味を持った動詞(ただし、3つあるので区別に注意すること!)
使役動詞の公式
使役動詞O原形 →知覚動詞と全く同じです!

make + O + 原形~
→Oに(無理に)~させる

let + O + 原形~
→Oに(許可して)~させる

have + O + 原形~
→Oに(依頼して)~してもらう

この3つはその時ごとのニュアンスに気を付けて使い分けてくださいね。

(例文)
父は私に宿題をさせた(→宿題をさせる、はもちろん「やりたくないのに無理に・・・」ですよね?)

My father made me do my homework.

となりますね? 「あ~なんだ、そんなに難しくないや~」と思って油断している方!そこでは終わりませんよ!

知覚動詞・使役動詞は「受け身(~される)」になった時が間違いやすい時なのです。例えば・・・

(例文)
彼はその部屋に入るのを見られた。
→「彼は見られた」なので「He was seen」となりますね。

しかし、知覚動詞の公式は受身にすると「toを入れなければならない」という絶対のルールがあるのです。 よって、

He was seen to enter the room.

となります。使役動詞のmakeも同様のことが言えます。例えば・・・

(例文)
私は昨日、宿題をさせられた。
→「(無理に)させる」は「make」なので、「私はさせられた」は「I was made」となります。続きはseeの場合と同じで「I was made to do my homework.」となります。

ちなみに「letとhave」にはそういう用法はありません。だって「させる」の受け身は「させられる」ですよね?普段の日本語で、「させられる」と言う時、「許可」「依頼」の意味になることはありませんからね?

ちなみに「ここまではラクに進められた」という人には、是非応用レベルまで進んで欲しいと思います。

それは「言い換え問題」です。下記を覚えられればレベルアップした大学に行ける確率が少しだけ上がりますよ!

make O 原形~
= force O to 原形~/compel O to 原形~/oblige O to 原形~

let O 原形~
= allow O to 原形~/permit O to 原形~

have O 原形~
= get O to 原形~

ちょっとたくさんあって大変ですが、コツコツ続けてみてくださいね。

<be to~>

「be動詞+to 原形」という形を今までに見たことがありますか?

例えば「My hobby is to play tennis.(私の趣味はテニスをすることです)」という文であれば、中学でも学習します。

しかし、高校で出題される「be動詞+to 原形」はこのパターンになることはまずありません。全部で5つの意味を持つことになります。皆さんの課題は、その5つをしっかりと見分けることです。

まずはゴロ合わせからいきましょう。

ビート(be to)たけしはギョウカイ人
(ギ→義務  ョ→予定  ウ→運命  カ→可能  イ→意志)

例えば、「You are to study English every day.」だったら、この5つの中で最も合いそうなのは「義務」でしょう。よって「あなたは毎日英語を勉強しなければならない」という訳になります。

しかし、「5つのうちのどれかって確率20%じゃないか」と言う人もいるでしょう。でも安心してください!5分の1の確率を、確実に3分の1にまで上げることが出来てしまうのです。

それは・・・

be + toが「ifの中」にあったら→確実に「意志」

be + toの後ろが「be +過去分詞」で、文が否定文だったら→確実に「可能(ただし、否定文なので不可能と言った方が適切ですね)」

(例文)
If you are to pass the test, you must study hard.
(テストに受かろうとするなら、もっと勉強しなさい)

(例文)
My watch was not to be found.
(私の腕時計は見つけることができなかった)

そして、残った「義務」「予定」「運命」は全く意味の異なるものですから、文脈によって見分けることが可能ですね。何事もうまく切り抜けるためのコツを身に付ければあっという間にクリアできてしまいますね。

<形で覚えるべきものとその書き換え>

ここは中学3年生で学習した内容も一部含まれますが、高校でも再度登場します。

★~O to 原形の形を取るもの
この形を取るものはある程度限られています。以下のものは確実に覚えるようにしてください。

ask O to 原形~
:Oに~するよう頼む

tell O to 原形~
:Oに~するように言う

want O to 原形~
:Oに~してほしい

expect O to 原形~
:Oに~することを期待する

persuade O to 原形~
:Oに~するよう説得する

★公式のように覚えるべきもの
sothat A can’t・・・
= toofor A to・・・
→とても~なのでAは・・・できない

形容詞 enough to 原形~ = so 形容詞 as to 原形~
→~するほど形容詞

★疑問詞+to 原形~
疑問詞には何がありましたか?what, which, where, when, howなどがありましたね?これにto + 原形を付けると、「~べき」の意味が加わります。そして、言い換え表現もテストでは必出ですので必ず覚えましょう。

疑問詞 to 原形~ = 疑問詞 S should 原形~

(例文)
私は何を言うべきか分からなかった
I didn’t know what to say.
= I didn’t know what I should say.

これは基本形をしっかり頭に叩き込んでしまえばすぐに出来るようになります。

<不定詞と受身・否定のコラボ>

不定詞は基本的には「to + 原形」ですが、この中に否定の意味や受身の意味を加えることができます。

★不定詞の否定:not to 原形
例文を使って確認していきましょう!

(例文)
I tried to think about it.
(私はそれについて考えようとした)

(例文)
I tried not to think about it.
(私はそれについて考えないようにした)

(例文)
I didn’t try to think about it.
(私はそれについて考えようとしなかった)

notの位置によって意味が変わってくることに気を付けてください。not to thinkなら「考えない」ですし、not tryなら「しようとしない」ですからね。ケアレスミスが生じやすいところなので気を付けましょう。

★不定詞の受身:to be 過去分詞
こちらも実際に例文を見ていけば分かりやすくなりますね。

(例文)
I want to be liked by everyone.
(私は皆に好かれたい)

want to~は「~したい」ですが、「私=好かれる(受身)」なので、このような形になるのです。大事なのは「主語が~する」なのか「主語が~される」なのか、を正確に判断することです。

<最後に> 

不定詞について長く書いてきましたが、逆に言えば「あれだけ面倒だった不定詞がこんなにコンパクトにまとまってしまうの?」とも思えるのではないでしょうか?

不定詞はバラバラに学習してしまうと、何が何やら分からなくなって迷路に迷い込んだようになってしまいますが、このようにテーマごとに整理をしていけば怖いものは何もありません。まずはこの記事をしっかり読み込んでみてくださいね!

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