住宅[373]

安い土地で高い家 高い土地で安い家 どちらが正解?

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執筆者:前田 浩貴

土地が無い方が家を建てる場合、悩む事がこのテーマです。 交通の便が良くて、スーパーが近くて、病院が近くて・・・・ この様な利便性の良い土地は、誰もが欲しい土地になります。 多くの需要があるので、高額でも売る事が出来ます。

その逆で、利便性が悪い土地は一般的に安価です。 その代り、緑豊かだったり、交通量が少ないので静かだったりします。 つまり、環境が良い訳です。

さて、どうして土地選びに迷うのかと言うと・・・・ 誰もが予算に限りがあるからです。 高額な土地を選ぶと、安価な住宅を建築する 安価な土地を選ぶと、高額な住宅を建築する

これはあなたの価値観の問題になります。 と言われても、困りますよね。 では、事例を挙げてみましょう。

私たちが住む地域では、土地+家の予算を4000万円ぐらいの方が多いようです。 土地は25万円~60万円/坪と結構な幅があります。 その場合の大よその予算の振り分けは、
・土地に2500万円 建物に1500万円
・土地に1500万円 建物に2500万円
になります。

では、土地に予算を掛ける場合の価値観とは?

土地を資産として考えているのです。 利便性の良い土地であれば、ローンが終わった35年後には、土地を売る事が出来ます。 利便性が良いので需要があるから売れるのです。 35年後もスーパーや病院があり、利便性が良い事が条件にはなりますけど、 それは、誰も分かりませんし保証は出来ませんのでリスクは少なからずあります。

歳をとって、持ち家が不便に感じたら土地を売却して もっと利便性の良いマンションに住み替えるのも一つの考え方です。 土地の売却金だけでは足りないので、蓄えも必要になりますけど 鍵一つで出かけられるのは、魅力的かも知れませんね。

一方、安価な土地の場合とは?

土地を消費財として考えている訳です。 使った分を支払う感覚です。 その分、建物に予算を使えるので、永く暮らす事が出来ます。 新しい近所付き合いをしなくても良いし、暮らし勝手も分かっている事はメリットですね。

土地の売却は難しいかも知れませんが、売れない訳でもありません。 もし、売れなくてもお子さんやお孫さんに土地を残してあげられます。

土地の考え方は、環境・利便性・防犯性・学区・近所・・・・と色々ありますが 将来の事も考えて選択してください。

次に建物の予算です。 あなたは、トラブルが無く、永く暮らしたいと思っているのなら 建物に予算を残してください。

新築の状態では、それ程見た目は変わらなくても 10年後には、メンテナンスやランニングコストが大きく変わります。 ですから、坪単価よりも年単価を考えて下さい。 10~15年後の外壁塗装などのメンテナンス 断熱性能による光熱費のランニングコスト 家族の成長によるリフォームの可変性 など、建物も将来を考えて頂きたいです。

日本の場合は、10年もすると建物の価値は凄く下がります。 現在では、築20年もすると建物の価値はほぼ「0」です。 その為に住宅性能表示やリフォームの補助金などで中古建物でも流通するように国も働きかけています。 これらを利用するのも一つの手でしょうが 私としては、永く幸せに暮らして頂きたいと思っています。 それが、地球環境にもつながるのではないでしょうか?

「もし、土地に予算を掛けて建物の予算が少なくなったらどうしたらいいの?」 こんな声も聞こえてきそうですが・・・・ そんな場合は、小さなお家を建てて下さい。

実際に私たちは、「26坪の家」や「三角形で20坪の土地に建つ家」も設計施工しています。

まとめます! どんな土地でどんな建物でもあなたの価値観に合っていたら大丈夫です。 将来も考えて選択してください。 その時にご家族だけで判断されるのは、ちょっと待ってください。 家づくりのプロである建築士に相談してください。 あなた以上に色々な事を知っていますよ。

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