古いものを新品に取り替えるだけがリフォームではありません。間取りの一部を変えるだけで、大きく変わることがあります。
例えば「風通し」。
永年お住まいの家であれば、一年を通してどの季節にどんな風が吹くのかだんだんと分かってくることでしょう。小さな窓をあけるだけでもずいぶんと風通しは変わります。風が家の中を通り抜けるということは、夏に涼しさだけでなく空気の入れ替えにもなります。それだけで、ずいぶんと住み心地は変わります。
例えば「西日対策」。
真夏に強く照りつける西日、東日を仕方ない事としていませんか。西日で暑くなる原因は太陽の輻射熱です。その輻射熱を最も有効に遮るのは窓サッシの外側で遮る事です。雨戸のようなものでもよいのですが、木製のガラリ戸のようなものにすれば、通風やほのかな採光も同時に望めます。これだけで西側に開口部のある部屋の居住性はずっと高まります。
例えば「家事動線」。
台所や洗面所などのスペースを通り抜けできるようにするだけで、ずいぶんと作業性は向上します。台所はダイニングとの関係性は当然の事ながら、勝手口や食品庫、洗面室とも繋がっていると便利に使えます。そのように間取りを整理した上で、開口部はドアではなく、開けっ放しにできる引戸にする事がポイントです。
例えば「収納庫」。
すべての収納部に言えることですが、それぞれの収納部にはそれぞれの用途に適した「奥行寸法」があります。深すぎて手前に積み増してしまっていたり、浅すぎて必要なものが収納できなかったりしている棚はありませんか。新築当時では想定されていなかった収納の使い方も住み馴れてくると収納される物が決まってくる事でしょう。それらに合わせた奥行寸法の棚や抽斗に造り直すことで、必要なものとそうでないものが整理され、結果的にコンパクトな収納量になるはずです。
壁紙やキッチンシンクを新しくするだけのリフォーム工事では表面上の新しさが得られるだけです。
部屋の空気環境を改善して、ほんの少し形を整えるだけで空間はリフォーム「改善」されます。