新築住宅に比べて中古住宅は、購入時にローンを組むにあたっていくつか制限があります。
1.建築基準法などに違反する建物でないこと
当時の建築確認の資料が残っているかどうか、「検査済証」が提出できる建物かどうかで、物件の価値も変わってきます。当然ながら資料がそろうものほど、物件に関する信頼度はアップします。
2.ローンの返済期間に制限を受ける
多くの金融機関で中古住宅(中古マンション含む)には、返済期間に制限を設けています。
35年-建築後年数=返済可能年数
が、一般的です。従って、建築後35年を経過した建物は住宅ローンを組むことが難しいのが実情です。建築後相当年数が経った建物でも、購入とともに大規模リフォームをする。耐久性、耐震性、暮らしやすさがよくなる工事を行うのであれば、工事の内容、価格、ローンの返済能力によってリフォーム資金としてローンを組むことは可能です。
3.担保評価額による融資額の制限がある
「建物の担保評価額=建物の購入価格」ではありません。担保評価とは、金融機関が融資をする際に不動産の担保としての価値を測るモノサシです。中古住宅は担保価格による融資額の制限があります。担保価格を超える融資はまずない、と考えてください。建物の構造にもよりますが、建物の担保価格の減価は建築後1~3年の減価が大きく、とくに木造建物は建築後20年もすると「担保価値がほとんどない。」状態です。土地つきの中古住宅(築後年数が20年以上の木造建物)を購入の場合は土地にどれだけの価値があるか、がポイントになります。また、中古マンションの場合は、立地や建物全体の入居の状況、管理の良さをぜひチェックしてください。
中古住宅は価格がお手頃なものも多く、売主が課税業者でなければ購入時に消費税もかからないため、軽い気持ちで手が出てしまいますが、住宅ローンを借りるにあたってはこのように制限があります。中古住宅を購入する際は、自己資金を十分準備して、慎重に資金計画を組む必要があります。