教育[725]

否定形では脳には伝わらない?肯定的な子どもへの声掛け

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執筆者:立石 美津子

子どもが牛乳を運んでいます。何だか危なっかしいです。

こんなとき、ついつい「零さないように気を付けてね」と声をかけていませんか。

でも、実は人間の脳って否定形がわからないんです。すると“零さないように”のフレーズに頭が支配され、本当に零してしまうのです。

■タイガーウッズ

プロゴルファーのタイガーウッズって知っていますか。

彼はゴルフクラブを握るとき「池に落とさないように」とか「バンカー(砂場)に入らないように」とは決して思わないそうです。ただだた、ひたすらフェアウェイに向かってボールを打ちます。すると見事にボールは真ん中へ。

最後の優勝を決めるパット。小さなボールを何メートルも先から直径約11㎝足らずの穴に入れます。

その時も「入らなかったらどうしよう。外さないように」とは思わず「絶対に入る」と念じるそうです。すると生き物のように小さなゴルフボールがスルスルと穴に向かって吸い込まれていきます。

平均台だって「落ちないように、落ちないように」と意識すればするほど、バランスを崩し落ちてしまうものです。

■否定形を言うとそちらに引きずられる脳

次のように言っていませんか?

・零さないようにね
・落とさないようにね
・割らないようにね
・転ばないようにね
・忘れ物をしないようにね
・喧嘩をしないようにね
・人の嫌がることをしないようにね

でも、これを聞いた脳は“零す・落とす・割る・転ぶ・失く・喧嘩する・嫌がることをする”方に注目してしまいます。すると本当に失敗するのです。マイナスの行動に注目すると、益々、その行動が激しくなってしまいます。

■否定を入れない言い方

・零さないようにね
・落とさないようにね
・割らないようにね
→しっかり持とうね

・転ばないようにね
→前を見て歩こうね

・忘れ物をしないようにね
→明日の準備をしっかりしようね

・喧嘩をしないようにね
→仲良く遊ぼうね

・人の嫌がることをしないようにね
→人が喜ぶことをしよう

こういうと脳は素直に従い結果が伴います。

こんな実験があります。

「今晩寝る前にサングラスをかけた猿を絶対に思い出してはいけない」と命じられたとしましょう。きっとあなたは夜、寝る前にサングラスをかけた猿を思い出すでしょう。

振り払えば払うほど脳裏から離れなくなる筈です。「してはならない」と言われたので意識し過ぎてしまうのです。

いかがでしたか。 子どもに失敗をさせたくないときは、失敗に注目してしまうようなマイナスの言葉をかけないことですよ。

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