初めての子育てではいろいろと気を付けなくてはいけないことがあります。
とても身近な食べ物であっても、時期によっては制限しなくてはいけない物も出てきてしまいますね。
例えば、妊娠するとカフェインの入っているものは避けなくてはいけなくなり、コーヒー好きなママさんたちはコーヒーを我慢しなくてはいけません。赤ちゃんが産まれてきてからも授乳があるので、変わらずママさんの食事には気を遣わなくてはいけません。
生後6ヶ月頃に離乳食が始まると、赤ちゃん自身で食べてくれるようになりますから、どんな食べ物が好きなのかな?と、いろいろな物を食べさせてあげたくなってしまいますね。
しかし1歳児まではハチミツを食べさせてはいけない、ということになっているのをご存知でしょうか。
なんとなく情報として耳にしたことのある方もいるかもしれませんが、なぜ?と聞かれるとあまり理由は知られていないのが現状です。 1歳未満の子どもにハチミツはなぜいけないのか、を考えてみたいと思います。
そもそもハチミツの何がいけないのか?ということになりますね。
1歳未満の子どもに食べさせてはいけない理由として、ハチミツにはボツリヌス菌が含まれている可能性があるからです。
あまり聞いたことのない菌の名前ですが、ブドウ球菌とともに食中毒の代表菌とも言われている菌なのです。食中毒の菌ならば、加熱すれば問題ないのかな、と思うかもしれませんが、このボツリヌス菌は100度で加熱しても死なない菌なのです。火を通して料理に使えば安心、というわけではないので注意が必要ですね。
全てのハチミツにこのボツリヌス菌が含まれているわけではなく、全体の5~10%のハチミツに含まれていると言われています。20本のハチミツがあれば1本はこのボツリヌス菌が含まれていることになりますね。
あまり高い確率ではないですが、ボツリヌス菌が含まれているかどうかは、検査をしないとわかりません。あまり軽視せずに、1歳未満の子どもがいる場合はハチミツを控えた方が無難でしょう。
しかし大人はハチミツを食べても大丈夫なのに、なぜ赤ちゃんだけ控えた方がよいのでしょうか。
1歳未満の子どもだと、腸の消化機能が未発達で腸内細菌が足りません。そのためボツリヌス菌が死滅せず、そのまま身体に吸収されてしまうのです。 病名としては「乳児ボツリヌス症」と呼ばれ、ます便秘になる、という症状で現れてくることが多いようです。
他にも身体がグッタリとする神経麻痺、全身の体力低下、元気がない、首のすわりが悪くなった、脱水症状など多くの症状がみられます。
致死率は1~3%と低いですが、最悪の場合死に至ることもある病気です。完治するのにも数か月時間がかかってしまうので、ちょっとのハチミツが赤ちゃんにとっては危険な食べ物であることがわかります。
しかし1歳を過ぎれば腸内環境が整い、大人と同じようにハチミツを消化できる機能を整えます。 実際に症例があるのは生後11ヶ月の乳幼児までなので、1歳を迎えれば安心でしょう。 普段はお料理や朝食にハチミツを愛用している、という方もこの時期までは避けたほうがよさそうですね。
ハチミツを避けた方がよいから、といって我慢するばかりではなく、何かで代用する、という考え方もできます。
その食品がメープルシロップです。メープルシロップはボツリヌス菌の心配はない、と言われていますから安心ですね。
そもそもハチミツはミツバチが採取した花の密を巣で熟成させた、天然の甘味料です。 そのため土で育つ花の密に土壌菌が含まれている可能性があります。この土壌菌がボツリヌス菌です。
メープルは砂糖楓の樹液を煮詰めたものですから、菌の心配は殆ど無いのです。そのため赤ちゃんの甘味料にはメープルシロップを使うと安心ですね。
むしろメープルシロップはカルシウムやマグネシウムを多く含み栄養価も高いのが特徴です。 少量で甘さを感じることもできるので離乳食に入れたりしてお料理などに使うのもオススメですね。
赤ちゃんの離乳食の時期は味覚形成の大事な時期ですから、天然の物を多く与えてあげたいですよね。
日頃何気なく口にしているハチミツも、1歳未満の赤ちゃんにとってはとても危険なものだとわかりました。
大人と赤ちゃんでは、違うことがいろいろありますね。大人の常識でなく、きちんと赤ちゃん目線になって食材も選んであげましょう。
そしてこの知識をきちんと旦那様とも共有してみてください。 育児で知識の差が出てきてしまうのは、どうしても仕方のないことです。一人で抱え込まずに、一緒に取り組んでいくことで、夫婦の信頼関係も深まっていくことでしょう。