教育[725]

子どもの睡眠障害の影響と予防法

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執筆者:門衛 教育運営チーム

睡眠不足、睡眠障害は子どもの体や心の発達にも悪い影響を及ぼしかねません。しかし、心がけと工夫次第で睡眠障害の予防は可能といいます。

睡眠障害は大人だけのものではなく、カウンセリングを受けるお子さんもいます。

子どもに見られる症状として最近多いのが、「夜なかなか寝付けない」「朝起きられない」のような体のリズムが後ろにずれ込んでしまっているケースです。小学生では5~6年生が多い傾向にあります。1~2年生のお子さんでもカウンセリングを受けるケースがあるそうです。

なぜ、そのような症状になってしまうのでしょうか。きっかけとしては、夏休みに夜更かしを続けて休み明けに朝起きられなくなったケースや、スマートフォンやゲーム機器を持ち始めてから、眠るのが遅くなってしまったケースなどがあります。

睡眠障害と一言でいっても、いくつか種類があります。

不規則な生活習慣などで体内のリズムが乱れ、適切な時間帯に寝起きできなくなる症状を「概日(がいじつ)リズム障害」といいます。この概日リズム障害にも数種類のタイプがありますが、子どもにも大人にも比較的多いのが、寝る時間が慢性的に遅れた状態になり、朝遅くや昼頃にならないと起床できなくなる「睡眠相後退症候群」です。

放置しておくと、体内時計が乱れることによって病的になってしまう恐れも指摘されています。

睡眠のタイミングが遅れてしまう睡眠相後退症候群の有病率については、ノルウェーの中高生1万人を対象に行われた大規模調査(2013年)で3.3%と報告されています。

予備軍が多く、心の病気にもつながりかねないとされており、日頃から規則正しい生活や睡眠のリズムをつくっておくことが大切です。

良い睡眠のリズムにまず必要なのは、朝と夜のメリハリをつけることです。

とりわけ重要なのが光の環境です。明るさ、暗さは体内時計に大きく影響します。光は生体のリズムを調整してくれるのですが、夜に明るい光を浴びて調整機能が働かなくなってしまうことが原因で睡眠障害に陥るケースも多いのが実状です。

例えば、塾帰りに照明の明るいコンビニに寄って、帰宅後にゲームやスマホで明るい画面を見ていると、体はいつ夜で朝なのかがわからなくなってしまい、リズムを乱すのです。

また、夜に分泌されるはずのメラトニンは暗いところで分泌されるという特徴があるため、夜遅くにパソコンやスマホ、テレビなど明るい画面を見たりしていると分泌が抑制されてしまいます。

つまり、夜に必要以上に明るい環境の中で過ごすことによって、うまく眠れなくなってしまうのです。

子どもが夜ぐっすり寝て朝すっきりと起き、しっかり活動できるようにするためには、光の環境を整えることがポイントです。

寝る前は部屋を明るくし過ぎず、電子機器などの画面を見ないように工夫するだけでも効果があります。

朝は子どもの起床時間前後に寝室のカーテンを開け、自然の光を入れます。

このほか、食事も体のリズムをつくる大事な要素です。夜遅くに食事を摂ると胃腸が動いている状態で寝ることになるため、眠りの質が落ち、体のリズムも乱れる恐れがあるので注意しましょう。

また、たまに寝相が悪いお子さんがいますが、寝相が悪いのは昼によく動いている証拠ですので心配いりません。

動物は昼間動くと、熱を体内に溜め込みます。それが眠りに入ると溜め込んだ熱を大量に放出して深部体温が降下します。深部体温が低下すると深い眠りとなるのです。

そのとき、大脳皮質は完全に休息し、体の姿勢のコントロール機能は働きません。さらに発汗と皮膚からの熱放散により、皮膚と寝具の接触面の温度と湿度が上昇し、刺激となって寝返りが起こりやすくなるのです。

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