子どもが言葉を話しだすと、つい他の子どもと比べたりしてしまいませんか?
特に月齢が低いお友達の方が上手に話をしたりすると、なんとなく焦ってしまいますよね。しかし子どもの成長には個人差があって当然です。身長や体重も「標準」と言う言葉がありますが、その標準は一つの目安にすぎませんよね。
話をし出す時期も、当然個人差があるのです。もちろんその話しっぷりも、早くから文章で話ができるようになる子どももいれば、単語で話をする子どももいます。その成長に伴い、活舌の良し悪しが気になってくるお母さんもいるでしょう。
その言葉の問題の中で、吃音症という症状をご存知でしょうか。
吃音症「きつおんしょう」と読みます。活舌が悪いのとは違うのですが、話をしようとしたときに、どもってしまう症状のことです。
最初の言葉がどもってしまって、「そ、そ、そ、そ、そ、そ、それとって。」など、なかなか自分の伝えたいことを伝えることができません。そう言われてみれば、昔クラスにこんな友達がいた、という記憶がある人もいるかもしれませんね。
吃音自然治癒率というデータがありますが、自然に吃音症が治る確率は41~74%と言われているようです。大人でもたまに、この吃音症の人と出会うことがありますが、多くの場合は子どものうちに治すこともできるのです。
ではこの吃音症を治すにはどのように接してあげると良いのでしょうか。
吃音症の最大の特徴は、最初の言葉がどもってしまう、ということです。本人は言いたいことは頭の中では決まっていますが、うまく口に出すことができないのです。
人と話をする、ということに対して緊張しているのかもしれませんね。このように話してしまうことによって、クラスの子どもにからかわれたりするかもしれません。さらに気にすると、周りとのコミュニケーションが苦手になってしまうかもしれませんね。
「話す」ということは、多くの人が無意識にできることなので、吃音症の葛藤はなかなか周りに理解されないのです。吃音症の人は、この当たり前のことができないわけですから、劣等感を感じてしまうかもしれません。
話をすることがストレスになってしまうと、治りにくくなってしまうかもしれません。
たくさん話をすることが、治るためのポイントなのです。 まずは話をするということに対しての精神的苦痛をできるだけなくしてあげるようにしたいですね。
吃音症だけでなく、活舌の悪い場合も同じで舌や顔の筋肉が発達していないことが原因のひとつと言われています。
活舌については悩んでいるお母さんも多いのではないでしょうか。
「舌足らず」というのはその言葉の通り、舌が短い状態のことです。逆に舌が長くても活舌が悪くなってしまうことがわかっています。口の中に適した舌の長さというものがあるのですね。普段は舌の使い方を意識して話をすることはありませんが、意識してみると、母音によって舌の使われ方が違うことがわかるでしょう。
では舌の長さが人と違う人はどうしたらよいのでしょうか?
正しい舌の位置を覚えるしかありません。子どもだとしても、耳と舌の感覚を使って正しい発音を覚えていくしかないのです。
日本語の言葉の基本となる、「あいうえお」の口の形をまず覚えます。そこに子音をつけることによって50音を発していますよね。活舌が苦手な子どもが多いのがサ行でしょうか。ゆっくりと発音してみると、サ行はまず口を閉じて息を出してから発音していることがわかります。
この時の舌の位置は、下の歯の中におさまっておますね。逆にラ行をゆっくり発音してみてください。声を出す前に舌が上の歯にあたっていることがわかりますね。きちんと発音ができる人はこの舌の動きを無意識におこなっています。舌も筋肉で動かしています。
幼い子供がうまく発音できないというのは、単純に舌の筋肉が発達していない、という問題がほとんどなのです。
他にも、言葉を発するには顔の筋肉、横隔膜の筋肉などが必要です。筋肉ってきくと難しそうですが、歩くのだって足の筋肉を使っているし、物を持つのも腕の筋肉ですよね。足を骨折してギブスをしている人の足は、ギブスをはずすと細くなっていますよね。毎日歩いているだけで、足の筋肉を使っているということがわかります。
「筋肉」と言っても日常的に必要なもので、ムキムキに鍛えるということではないのです。
ギブスを外したばかりの人は、歩くためのリハビリをしますよね。同じように、できないことは慣れるまで練習する必要があると言うことです。
実際に子どもの頃は吃音症で治ったという人もいます。活舌が悪い、吃音症かもしれない、と思ったら、自然に話ができるようになるまで、ゆっくりと遊びの延長のようにたくさん言葉を発することです。
歩くリハビリをする人はゆっくりでも歩く。お話のリハビリは話をすることから始めましょう。話をすることなら、自宅でもお母さんが付き合ってあげることができますよね。
精神的に苦痛になってしまわないように、話をする時間が楽しいということも合わせて教えてあげましょう。