中学生になると通塾率が小学生のときと比べて格段に上がります。
理由はいくつか考えられます。まず、公立であれば中学校へは無試験で上がれますが、高校には必ず試験を受けなければ行けません。そして単純に勉強の内容が難しくなるといったことが考えられます。
そうして塾に通う際に問題になることがあります。
まず一つはクラブ活動の存在です。中学一年で運動系のクラブに入ると一日が朝錬からはじまり、授業後にさらにクラブ活動があります。
この時点で体力的に限界の子も多いのが実状です。塾に通う場合はその後で大抵夜7時~10時くらいの間で授業が行われ、しかも宿題が出る場合がほとんどです。そして土日もクラブ活動や試合が行われるため基本的に「中学生は忙しい」のです。
それでも慣れてくると携帯をいじったり、友達と遊びに行く、ゲームをするといった時間を作り出してきます。その際に真っ先に犠牲となるのが勉強時間です。
断言しても良いですが、自宅で3時間勉強すると決めて、本当に3時間きっちりと勉強できる中学生など全体の1%もいません。よくやってその半分、ほとんどの場合は休憩時間のほうが長くなるでしょう。
それを防ぐ一つの手段が通塾です。
塾は学習内容を指導するのも仕事ですが、「学習時間と場所の確保」「勉強のしかたを教える」といった機能も重要なポイントなのです。
塾の講師は毎年中学生を見ているため、どの時期に生徒が忙しいか、本当に体力的に限界なのか、どのクラブはどの時期まで活動しているのかを把握しています。よって中学入学当初からクラブ選びに関してのレクチャーを行う塾も多いのです。
たとえば毎日夜遅くまで体力の限界まで動かせるクラブに入った生徒が早い時間から始まる集団授業タイプの塾に通うことは至難のわざだからです。そのため塾からそれを回避するように話をされるのです。
また文化系のクラブでも吹奏楽部は中学3年の秋から冬にかけて活動が続くため比較的引退が遅いです。充実した中学生活を送るためにクラブ活動を行うことは望ましいです。
しかし高校受験という1点のみで考えた場合、引退の遅いクラブは邪魔でしかないのです。夏で引退した生徒が夏期講習などを越えて大きくパワーアップする時期にクラブ活動で毎日時間を取られるのは痛手でしかないからです。
それをわかっている塾は、そのならないために先手をうって、クラブ選びから介入していくのです。
中学生が塾を選ぶにあたって必要なことは、「本人および保護者の優先順位とバランス」を明確にし、それにあったスタイルの塾を選ぶことです。
どうしてもクラブ優先でそちらの時間を重視するのであれば、それにあった塾を選ばなければいけません。「定期考査で点数を取りたい」なら地元密着型の個人塾が良いです。定期考査ではしっかり点数を取らせてくれるでしょう。
「進路をしっかり考えて偏差値自体を上げたい」のであれば、実績を重視して取り組むような大手の塾が良いでしょう。まずは安易に塾を決めるのではなく、何を優先してやっていきたいか、何を目的とするのかを決めてから、そのタイプの塾を探すことが重要であると思われます。
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