クラシックバレエは、女の子が産まれたらやらせたいお稽古の中で常に上位の人気があるお稽古です。
お母さん自身が子どもの頃から憧れていて、子どもにやらせたいと思う方も多いようです。
確かに、クラシックバレエを習っていると、「お嬢様」とか「育ちがいい」というイメージがありますね。 発表会などにもお金がかかるイメージがあるので、実際にお金のかかるお稽古なのかもしれません。
そんなクラシックバレエに実際に子どもを通わせることになると、多くのお母さんが疑問に思ってしまうことがあるようです。
それはレッスンの内容がなかなか変化していかないことです。 毎回毎回レッスンを見ているわけではないかもしれませんが、レッスンを見学してみて、1年前と同じ内容のレッスンをしていたらあなたはどんな気持ちになりますか?
毎週毎週、通わせているのにやっていることが同じだったらお月謝がもったいない? 上達させたいのだから、もっと難しいことをやってほしい? 先生が子どものクラスだからって手抜きにレッスンをしている? お母さんがバレエ経験者でなければ、全て当てはまるかもしれませんね。
特に、自分の子どもよりも後から入ってきた子どもと同じレッスンをされてしまうと、なんとなく嫌な気持ちになってしまうようです。 長くお稽古を習っている分、難しいことができて当然ですもんね。 自分の子どもはレベル下げたレッスンを受けさせられてると思いますか?
クラシックバレエのレッスンは基本的にはいつも同じです。 バーレッスンから始まり、大人のクラスになると、このバーレッスンで半分以上の時間を使うのは普通です。
バーレッスンはプリエから始まって、タンジュ、デガジェ……と順番があり、これはどこのバレエのお教室に行っても同じでしょう。 海外留学しても、同じバーレッスンの順番のはずです。
バーレッスンが終わると、フロアレッスンです。 先生の方針にもよると思いますが、このフロアレッスンでも毎回同じことをやるなぁ……と思っているお母さんが多いのではないでしょうか。 しかも短いステップばかりで、これがバレエになるの?と疑問を持ってしまうかもしれません。
もう毎回やっていてできるようになっているのだから、次のステップに進みたいと思うかもしれませんね。 ではなぜバレエのレッスンは毎回同じことをするのでしょうか。
まず、そもそもバレエのレッスンで、技の足の順番を覚えることが目的ではないということを理解しましょう。
でも、先生はバーレッスンでも、フロアレッスンでも足のステップの順番を教えてくれますよね? では、それが間違っているのか?? 先生の目的は、そのステップの順番を覚えた先にあります。 本当の目的は、そのバーレッスンやステップで身体をきちんと使えるようになることです。
ステップの順番を覚えて、技をたくさん覚えてもバレエとしての身体ができていなければなんの意味もありません。 レッスンをしながら、筋トレをしているような感覚かもしれませんね。
例えば、腹筋をしようとして、筋トレは腹筋1回できるようになったら終わりでしょうか? 何度も繰り返すことによって、筋肉をつけていくことが目的ですよね。 バレエも同じで、足の順番を覚えてから、バレエに必要な筋肉をつけていくことが目的です。 毎日同じことの繰り返しですが、繰り返すことによってバレエを踊る身体を作っているのです。
我慢して、地味なレッスンを続けていくと、ある日突然難しいことをやっても不思議とできることもあります。 先生から見たら、それは不思議なことではありません。 わからないうちは、先生を信じて地味なレッスンについていくしかありませんね。
では、身体ができていないのに、急に難しいことをするとどうなってしまうのでしょう。
バレエは他のスポーツでは使わない内ももの筋肉をうまく使うことが大切です。 内ももの筋肉はなかなか意識して使えるところではありませんね。 逆に外ももの筋肉は意識しやすい筋肉で、きちんとバレエのトレーニングができていないと足を高く上げたりしようとするときについ力が入ってしまう場所です。
すると、実際に足が高くあがっているようには見えますが、実は正しく身体が使えていないのです。 本人は高く足が上がっているわけですから「できた」と思ってしまいます。
形だけでバレエのレッスンを続けることになってしまい、このように間違った身体の使い方を覚えてしまうと修正するのはとても大変なことです。 そのため間違ったことを覚える前に、正しいバレエの身体を覚える必要があるのです。
どんなにバレエ歴の長いプロのバレリーナでも基礎のレッスンをおろそかにしません。
プロこそ、その毎日の積み重ねの大切さをわかっているからです。 極端に言えば、バレエにはクラス分けは必要ないものなのかもしれません。 大切なのは、自分が、子どもがどこまで真剣にレッスンを受けられるか、です。
子どもが幼くて、レッスンに集中できず、遊び回ってしまっているようでは、レベル分け以前の問題です。 クラス分けしてくれないお教室に疑問を抱く前に、子どものレッスンを受ける意識を高めた方がよさそうです。
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