教育[725]

2016年センター試験直前対策 公私・各科目

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執筆者:門衛 教育運営チーム

12月ともなるとセンター試験1か月前となり、受験生は大いに緊張している時期でしょう。

12月や1月に始まる少数の私立大学入試は別として、一般的にはセンター試験が最初の試験となる受験生が多いので、非常に緊張する人が多いようです。

そして、その1か月前は、「いよいよ受験だなぁ」という実感がわいてくる時期でもあり、なかなか勉強が手につかない人も多いかもしれませんね。

そして、この直前期はどんな勉強をすればよいのか、そしてどんなことに注意しておくべきなのか、という疑問に駆られる人も多いことでしょう。

今回は受験パターン別のセンター試験直前の勉強法・留意ポイントについて話を進めていきたいと思います。

<国立大学受験パターン>

国立大学受験者にとって、センター試験の出来は受験を左右する非常に重要なポイントです。

ここでうまく点を取れるかで二次試験への出願をどの大学にするか、はたまた、国立大学への出願自体できるのかどうかが決まってきます。

そんな国立大学受験者が気を付けておくべきことは以下の通りです。

その1:センター試験:二次試験の比率計算
国立大学は点数が一様ではありません。大学によっては、センター試験:二次試験の得点比率が900:400、大学によってはその逆だったりと、さまざまなのです。

前者のような比率の場合は、いわゆる「センター逃げ切り型」に近いものとなります。

つまり、センター試験でしっかり点数を稼いでおいた人ほど有利に働くのです。センターで大きくこけてしまった人は、どう頑張ったって二次試験では400点までしか取れませんからね。

それに対して後者のようなパターンの場合は、センターで多少つまずいたとしても、二次試験で900点も配点があるのですから、十分に挽回が可能です。

また、五分五分の比率の大学もあります。このように、センター試験と二次試験において、どちらを重視する大学を自分が受けるかで見方も変わってくるのです。

センター比率が高い大学を受けるという人は、何が何でも点数を稼げるようにしたいものです。

その2:科目バランス
センター1か月前ともなると、5教科7科目を全て同じバランスで勉強するというのは非常に難しいものがあります。

この時考えておきたいのが「文系・理系」によるバランスです。文系であれば、英語・国語・社会1つは必ず二次試験や私立大学で使用するので、特に力を入れておきたいですね。

実際、この3つだけでセンター試験は500点分を占めますから、なるべくこの3つで点を稼いでおけるようにしましょう。科目ごとの詳しい勉強については、のちに触れることとします。

理系の場合は、英語・数学2つ・理科1つは私立大学でも二次試験でも使用しますので、しっかり点を稼げるようにしましょう。

この3つだけでやはり500点は取ることができます。

その3:センター後のシミュレーション
厳しい話ではありますが、センター試験で思い通りの点を取れる人というのは非常に少ないものです。

実際には「取るべき点数」よりも大きく下回るケースの方が多いと言っても過言ではありません。

そうなると、出願するはずだった大学にも出願できなくなり、途方に暮れる人が多くなってしまいます。その時になってから慌てるのではなく、早いうちからシミュレーションをしておくことが重要と言えます。

具体的には、3段階くらいにレベルを分けて出願する大学を考えておくのです。

例えば、ボーダーラインが80%のA大学を受ける場合、センターで70%前後しか取れなかった場合のB大学や、65%くらいしか取れなかった場合のC大学、といったように、段階に応じて出願する可能性のある大学を考えておくのです。

そうすれば、当日になって得点を見て慌てるということはなくなるはずです。ちなみに、これも数多くある例ではないのですが、「科目の出来によっては、センター試験で3教科しか使わない国公立(主に公立)への出願に切り替える」という手段も頭に入れてみてください。

例えば関東県内の経済学部を考えているという場合は、「高崎経済大学の中期日程」であれば、英語・国語・社会の3教科で受験することができます。 

<私立大学受験パターン>

さて、私立大学を専願とする人にとっては、センター試験で大きくつまずいたからと言って、大きなダメージはありませんが、私立大学メインの受験生にとっての心得というのはどんな点にあるのでしょうか?

ここでもいくつか挙げていきましょう。

その1:本番への前座として考える
上述したように、センター試験は一般的には私立大学受験よりも前に来ることが多いです。そのため、私立大学専願の人にとってもやはりセンター試験が1発目の試験となります。

もちろんこけたところで大きなダメージはないものの、やはり点が取れないよりは取れた方が気持ち的にも安心できるものですよね。

となると、これはもう「失敗できる本番入試」と捉えて、きたるべき本番の入試に向けての前座として考えてしまえばよいのです。

点が取れれば自信につながりますし、点が取れなければ反省として本番に生かすことができます。どちらにしてもメリットしかないのです。ここで成功すれば良い弾み、失敗すれば「ここで失敗しておいてよかった」と思えますからね。

その2:センター利用私大活用法
私立大学専願の人でも、センター試験を活用できる方法がもう1つあります。

それが「センター試験利用入試」を活用することです。これは私立大学が導入している試みで、遠くの受験生でも出願できるように、センター試験の結果だけで合否結果を出せるシステムのことです。

一般の入試の受験料が概ね30000円~35000円であるのに対して、センター利用入試は17000~20000円であるのが大きなメリットです。

とはいえ、当たり前のことですが、センター試験だけで受験結果を出すことができるという便利なシステムなのですから、受験者が多くなり、合格ラインも必然的に高くなるのが普通です。

そういう意味では、センター試験利用入試は「一番の滑り止め」にしたい大学を出願することをオススメします。

滑り止めの大学までわざわざ受験に行きたくない、でも受験は不安だ、そんな人にうってつけの方式と言えるでしょう。ただ、気を付けてほしいのは、センター試験利用入試は基本的にはセンター試験よりも前に出願するという点です。

センター試験を受けた後に出願できるのだったら、後出しじゃんけんをしているのと同じことですからね。もちろんそういう方式を取る大学もありますが、後から出願できるセンター利用入試は難易度の非常に低い大学か、普通の大学でも倍率がとても高くなる傾向にあります。

ですから、どうしても行く大学を見つけなければならない、という状況でもない限りは、センター試験よりも前に出願するタイプにしておきましょう。

<科目別勉強アドバイス>

英語
誰もが受験の中で使用する科目、それが英語ですね。英語を使わずに受験を通り抜けることは、ほとんどできません。

しかし、「英語は極端に苦手」という人もいることでしょう。そんな人に対して送るアドバイスは、「1つでも多くの単語を頭に入れて臨むべし」というものです。

英語が極端に苦手な人に、文法やら構文やらを最終チェックさせてみても難しいものがあります。

なぜなら、それが可能であるならば、最初からそれをやって理解できているはずだからです。単語であれば、なるべく多く詰めて、本番で知っている単語が出てくれば、それをつなぎ合わせて少しでも意味を考えるのに役立てることができます。

そして、「特段、苦手というわけではないけど、得意とも言えない」という人に対しては「簡単な文法のチェックと単語の暗記」をオススメします。

単語はどの層の生徒に対しても有効な手段なのですが、文法はやり出したらキリがないので、中間層については「超基本文法」とも言えるべきようなもの、例えば「助動詞の暗記」「使役動詞」など、1年生の定期テストレベルの事項だけでも結構ですので、1つでも多くの文法を詰めていきましょう。

そして、「英語は得意」と言える人については、「センター試験の英語で満点」を見据えた最終チェックを心掛けてください。

センター試験の英語については国語などに比べても、満点が取りやすい内容になっています。

とはいえ、長文問題などは1問6点くらいするので、5つでも落としたら30点の減点になってしまいます。そういう致命的なミスを避けるための微調整をしましょう。

数学
センター試験の数学はとても独特な形式ですよね。解き方の誘導が付いた問題が出題されるため、このタイプの問題を苦手とする人は多いかもしれません。

数学に関しては、苦手という意識のある人は、「各大問の最初の2~3問」は確実に解けるようにしておきましょう。

例えば二次関数であれば、最初の方にある問題は頂点の座標を求める問題など、ごく基本的な内容が出題されますので、こういった問題は点数につなげられるように意識してください。

また、中間層の人については、時間配分に注意してください。中間レベルにいる人はじっくり解けば解けるが、60分という時間制限の中で解き切るのは難しいと感じている人が多くいます。

ですから、スピードを上げられるようなトレーニングをしておきましょう。また、苦手な分野がある人は特にその分野の克服は必ずしておきましょう。

数学は1つの分野で1つの大問(20~30点)が出題されますから、苦手な分野をごっそり落としてしまうと大きな失点になってしまいますから、直前にしっかり対処しておきましょう。

国語
センター試験の国語は文系でも理系でも非常に苦戦が見込まれる科目です。

特に現代文などは、私立大学よりも難しいと感じられるほどで、これを20~25分で高得点を取るのは非常に難しいものです。

ですから、国語に関しては、時間配分を自分の中でしっかり作っておいてください。ある程度の句形などを覚えてしまえば、漢文は15分程度で解くことも可能ですし、古文も基本文法や基本単語を押さえておけば、スピーディーに解くことができます。

そういう意味では、後半の2問は直前にスピードを上げることが可能ですね。とはいえ、直前で一気に点を高くすることは難しい科目なので、あくまで「大きくつまずかない」くらいの点数にはなるように気をつけましょう。

理科
理科は文系の「基礎科目」については大きく心配しなくても良いでしょう、もし今の時点で100点中30点しか取れないのだとしても、国立大学を受けるのに必要な900点満点のうち、理科の基礎科目が占めるのは100点分だけですので、伸ばせたとしてもせいぜいあと30点です。

これを取るくらいなら、英語や社会でまだまだ点数は伸びます。それに対して、理系の人は理科で200点分を占めますから、大きくつまずくわけにはいきませんよね。

まして、理系であれば二次試験や私立大学でも理科を使うことが多いので、なおさらですね。

特に私立大学では理科の使用はほとんどの大学で1科目ですので、その1科目だけはある程度の点数を確保できるように最後の勉強には力を入れてください。

特に物理や化学の場合は、計算なども多く出題されますから、時間をかけすぎないように注意してください。

また、原理などを問われる問題も出題されますから、「なぜこの反応や現象は起こるのか」という基本的な理解も最終チェックしておきましょう、

社会
社会は比較的暗記要素の強い科目ですので、1問1答などで十分なので、知識を1つでも多く詰めておきましょう。

英単語は多く詰めたとしても、それがそのまま問題の答えに直結してくる可能性は低いのですが、社会の暗記事項はそのまま問題につながってくることがほとんどなので、知識量が多ければ多いほど、有利になってきます。

また、英単語と違って「流れ」がしっかりある科目なので、覚える際にもやりやすさはあります。

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