高校生ともなると、勉強の質・量ともに中学とは比べものにならないほどですよね。中学の時は冬休みは「ちょっとしかないけど、気楽に過ごせる年末年始周辺の時期」くらいなイメージだったかと思います。
しかし、高校生にとっての冬休みを「ちょっとの間しかない休み」と捉えてはいけません。
受験生である高3生はもちろんのことですが、1・2年生にとっても非常に重要な時期であるとも言えます。では、各学年にとって、どのような冬休みを過ごしていけば良いのでしょうか?
今回は学年別の高校生の冬休みの過ごし方についてお話ししていきましょう。
頑張って高校受験をくぐり抜けて、初めての冬休み!
夏休みと違って短い期間のため、課外授業なども行われず、ぬくぬくと年末年始を過ごしたくなる衝動に駆られますよね。いや、むしろ短い期間だからこそ、限界まで夜更かしをして遊び抜きたい気持ちでいっぱいですよね。
それも良いでしょう。ただし、メリハリをしっかりつければ、の話ですが。
高校に入学して、勉強の難しさに圧倒された4月5月を思い出してみてください。なんとか死ぬ気で頑張って結果につなげてきた定期テストや模擬試験を思い出してください。そんな必死でやった勉強内容でさえ、もうすでに忘れてしまっているのではないでしょうか?
大学受験ともなると、その全てを複数教科でこなしていかねばならないのです。冬休みを全力で遊び抜いてしまっては、これまでの努力が全て水の泡です。
だからこそ、遊びたい気持ちも理解はできますが、ある程度に抑えて、勉強にも身を捧げてみませんか?好きなだけ遊ぶのは大学に入ってからいくらでもできます。しかし、高校生のうちは、ムダにする時間が多ければ多いほど、どんどん周りのライバル達に置いていかれてしまいます。
では、いったい高校1年生の冬休みは何をすればよいのでしょうか?
まずやってほしいのは手っ取り早く、「2学期の学習内容の見直し」からでしょう。
1学期は中学の延長のような内容も含まれているため、そこまで厄介ではなかったと思いますが、2学期ともなると、英語も数学も国語も理科も社会も、どの教科をとっても非常に難しい内容へと入ってきます。
そのため、早いうちに見直しておかないと次の学年に入る頃にはもう手遅れ、という状態にもなりかねません。
特に英語と数学には力を入れてみてください。この2科目は高校教育の大きな柱ともいえる科目ですから、土台は早めに形成しておくに越したことはありません。
やり方としては、教科書をしっかり読み込み、問題をもう一度解きなおし、知識が再構築できてきたら、定期テストの問題をもう1度解いてみる、といった流れです。
同じ問題を何度も間違うというのは勉強においては避けなければなりません。何度も何度もやって、ミスがなくなるまで続けていきましょう。地道な作業なので、面白みはないですが、着実に効果を発揮するやり方となるはずです。
そこで得たやり方は、3学期にもきっと生かされ、よい契機となるでしょう。
高校2年生の冬休み、というと、さすがに「あぁ、もうすぐ受験生なんだなぁ」と誰もが感じる時期なのではないでしょうか?
しかし、これも厳密に言うとちょっと違うのです。「もうすぐ受験生」ではなく、高校2年生の冬は「もう受験生」なのです。
大学受験はセンター試験が1月中旬に行われ、私立大学も1月下旬から始まりますから、4月に3年生になってから「さぁ、いよいよ受験生だ!」と気合を入れた所で、もう10か月しか残されていないのです。
1年間みっちり勉強することを考えれば、高校2年生の冬休みこそ、「受験生としての始まり」と言えるのではないでしょうか?
その意識を持てている人と、持てていない人とでは、4月に始まった時点で大きな差となって表れます。だからこそ、冬休みから始動しなければいけないのです。
この時期にやることは「弱点分野の克服」です。英語や数学で「この単元が苦手」という部分が誰しもあるはずです。3年生になると文系は社会、理系は理科が本格的になってきて、英語や数学にじっくり取り組む時間はありません。
ですから、2年生のうちに、できるだけ苦手な単元をなくしておくことが必要になります。場合によっては、1年生の教科書を取り出して、読み直して理解を再構築するところから始めなければなりません。
じっくり時間をかけても構いませんので、早めに「できない」を「できる」に変えられるような努力をしてください。
とはいえ、理科と社会も2年生の授業内容には組み込まれていますから、やらないわけにはいきません。特に受験レベルの理科・社会は量が非常に膨大であり、やってもやっても覚えきれないほどです。
せめて2年生で学習している分野までの理解は2年生のうちにしてしまうように心がけてください。2年生までに学習する理科と社会は全体の2~3割にはなります。
それを完璧に理解できるようになるということは、3年生になってからは残りの7~8割を覚えていくだけで済むのです。
後で楽をするためにも、今苦労をしておくのは悪くないですよね。2年のこの時期から頑張っておけば、1年後に1ランクも2ランクも上の大学を目指すことも夢ではありません。妥協することなく、早めのスタートを切りましょう。
そして最後は受験生でもある高校3年生です。3年生にとっては実質的にはじっくり勉強の時間が取れる「最後の休暇」です。
この休みを有効活用できなければ、受験は失敗に終わると言っても過言ではありません。いくらそこまでの勉強を緊張感を持って臨めたとしても、冬に気を緩めて遊んでしまっては、水泡に帰すはめになってしまいます。
センター試験までは1か月を切っている時期ですから、最後の追い込みをかけるべき時期であるのは言うまでもありませんね。
ここで最後の頑張りを見せられる人は、受験で成功する確率がアップすることは間違いありません。確実に合格できるという保証はもちろんありませんが、1日10~12時間の勉強を、冬休みの2週間で毎日行うだけでも140~180時間ほどの勉強時間が確保できることになります。
これだけの時間を全て集中力を持って問題演習に注いでいって、悪い結果になることなんて考えられませんよね。
でも、それまでに覚えた知識がどんなに膨大なものであっても、直前の追い込みを怠ってしまったら、どんどん覚えた知識が抜けていってしまいます。
少なくとも入試が終わるまでは知識が抜けないように緊張状態を保っていかなければなりません。あと1~2か月あらゆるものを我慢して努力を継続していけば、望むものが手に入るというところまで来ているのですから、衝動を頑張って抑えられるようにしてください。
大学入試は高校入試とは違って、「3年生の1年間でなんとか伸ばして合格できるもの」ではなく、1・2年からの継続的な努力に裏打ちされるべきものです。
そのようにして継続した努力によって身に付けた知識は、付け焼刃の知識ではなく、高校を出て大学に入学してからも使える知識となって残るはずです。「将来充実した人生を送れるようにするため」にも、高校の3年間の努力はムダにしないよう、冬も油断することなく駆け抜けていきましょう!