教育[725]

【高校生の英語】わかりやすい助動詞の解説

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執筆者:門衛 教育運営チーム

中学英語では助動詞をいくつか学習しましたね。たとえば「can」は「できる」、「must」は「しなければならない」などというように、「1つの助動詞に対して1つ(多くとも2つ)の意味」を暗記したことがあると思います。

しかしながら、高校に入るともっと多くの助動詞を学習するのに加えて、中学で学習した助動詞にも新しい意味を追加することになります。

多くの高校生にとってこれを完璧にマスターするのは苦しい道のりではありますが、覚えてしまえば一気に問題を解けるようになる比較的楽な単元とも言えます。ですから、ここは的確な整理をすることで確実に覚えてしまいましょう。ここで整理するパターンは全部で4つです。1つ1つ噛みしめながら覚えていきましょう。

<中学で学習したものへのプラスアルファ>

まず、中学ではどんな助動詞をやったか覚えていますか?上述した、can・mustの他に、will・should・mayなどは学習しているのではないでしょうか?ですから、高校では「新しく追加された意味」だけを覚えていけばそれで良いのです。

それを以下にまとめていきますが、まとめてしまえばそんなに量は多く感じないはずですよ。

can ①できる ②してもよい ③しうる(~する可能性がある)

must  ①しなければならない ②ちがいない

will  ①だろう ②つもり ③よく~する(習慣) ④~するものだ(習性)

should ①すべき ②(当然・きっと)~するはずだ

may  ①してもよい ②かもしれない

これで分かるように、二重線の5つの意味が高校から新しく追加する意味となりますが、さほど苦しい量ではありませんよね?高校の英語は単語だけでも1000個以上覚えなければなりませんから、それに比べればここはすぐにマスターできるはずですよ。

<高校から新しく出てくるもの>

次に中学では習ったことのない助動詞に進みましょう。こちらも高校レベルだと言って構える必要はありません。同じように形と意味をしっかり頭に入れれば良いのです。

では、高校から出てくるものを見ていきましょう。

①need
これは中学の時には「動詞」と習いましたね?中学では「You need to go there.(あなたはそこに行く必要がある)」などというように、「need to 原形~」で「~することを必要とする」で覚えたはずです。

しかし、助動詞のneedはちょっとしたルールがあります。

それは「否定文と疑問文でしか使えない」というルールです。しかも、このneedは助動詞なのですから、否定文にするにはcan’t, won’tと同じようにneedn’tとするだけで良いですし、疑問文はCan youやWill youと同じでNeed youと書けばそれで良いのです。

ですから、ルールだけ覚えてしまえばあとはcanやwillとやっていることは同じなのです。あとは「動詞のneedと助動詞のneed」をしっかり区別して書けるように気を付けてください。

(例)あなたはそこに行く必要はありません。
You don’t need to go there. = You needn’t go there.

(例)あなたはそこに行く必要があるのですか?
Do you need to go there? = Need you go there?

②ought to
読み方は「オート トゥ」です。これはさほど書くことはありません。一言で言えば「shouldと同じ意味」です。

では何に気を付けたら良いのでしょうか?それは当然「語数」です。同じ意味なのであれば、あとは区別するポイントは語数しかありませんよね?

例えば、「あなたはそこに行くべきです」に対して、「You (      )(      ) go there.」とあるならば、「~すべきという意味で2語のもの」ということなので、ought toを入れれば良い、というだけなのです。

よって一瞬で終えることができますね。そして忘れてはならないのが「ought toの否定形」です。shouldはshould not(shouldn’t)とすれば良いのですが、ought toの否定はnotの位置に気を付けてください。

ought not toというようにnotは間に入りますので、並び替え問題や英作文問題で出題されやすいので気を付けましょう。

③used to used
「ユーズドゥ」と読んではいけません。これは「使う」のuseとは別のものです。この助動詞は一言で言うと「過去を振り返る」ものです。和訳の仕方としては「昔はよく~したなぁ」「昔は~だったなぁ」というものです。

それだけであれば全く問題ないのですが、1つ応用として気を付けたいことがあります。上述した中に「will  ③よく~する(習慣)」というのがありましたが、これの過去形バージョンとして「would often」(昔はよく~したなぁ)というものがあります。

これはused toと語数も同じであるため、一見すると全く同じものに見えるのですが、微妙な違いがあるので、しっかり覚えておいてください。

それは「used toは昔と今を比べる意味合いがある」という点です。つまり、I used to go there.は「昔はよくそこに行ったなぁ(今は行かないけど)」という意味を持つことになります。

それに対してwould oftenにはそのような意味はありません。そしてもう1点は「would oftenには“昔は~だった”の意味はない」という点です。「昔はよく~したなぁ」は「過去にそういう習慣があった」という意味で、「昔は~だったなぁ」は「過去にそういう状態だった」ということですが、would oftenには過去の状態を表す意味はないのです。

④had better had
みると過去形なのではないかと思ってしまいますが、これは現在の出来事に使います。意味は「~した方がよい・~しなさい」というように「警告」を意味する表現です。

このhad betterには注意しなければならない点が2つあります。1つは「had betterの後ろには動詞の原形が来る」という点です。よく「have to」と勘違いして、「had better to」としてしまう人がいますが、「had better 原形」の形はしっかり頭に入れておきましょう。

そしてもう1点は、否定文の形です。ought toと同じでよく出題されるので確実に覚えておきましょう。基本形は「had better not 原形」となります。ですから、「あなたはそこに行かない方がよい」は「You had better not go there.」となります。

<現在から過去を見渡す表現>

例えば、mayは「~するかもしれない」という意味ですが、「~したかもしれない」にするにはどうしたら良いでしょうか?mayの過去形はmightですが、これだと「~かもしれなかった」となってしまいますね。

このように「~した」とする時は助動詞の後ろに「have + 過去分詞」を付ければ良いのです。ですから、「私はその本を読んだことがあるかもしれない」の時は「I may have read the book.」と書くのです。

ここはパターンが全て同じなので、一気に整理していきましょう。

may have 過去分詞:~したかもしれない

must have 過去分詞:~したにちがいない

should have 過去分詞:~すべきだったのに(= ought to have 過去分詞)

can’t have 過去分詞:~したはずがない

needn’t have 過去分詞:~する必要なかったのに

had better have 過去分詞:~した方がよかったのに

<慣用表現は熟語と同じ>

最後は「慣用表現」です。これは一言で言えば「熟語」のようなものですので、とにかく根気良く覚え続けましょう。主に覚えて欲しいものをまとめると以下のようになります。

would like to 原形~:~したい(= want to)

would rather 原形 than 原形:  するよりもむしろ  したい(= may as well 原形 as 原形)

may well 原形~:①おそらく~だろう  ②~するのももっともだ

may as well 原形~:~するのが良い

I dare say~:おそらく~だろう

How dare S 原形~?:Sはよく~できるね(怒りの気持ち)

May S 原形~!:Sが~しますように(祈りの気持ち)

can’t help ~ing = can’t but 原形~ = can’t help but 原形~:~せずにはいられない・~せざるをえない

このようにまとめてみれば10個もありませんね。ここはとにかく何度も何度も触れるようにして、ひたすら頭に叩き込んでしまいましょう。

<最後に>

助動詞は1つ1つ知識を付け加えていけば、「意味のない文字の羅列」ではないことが分かりますね?

他の科目・他の単元でも同じことが言えますが、知識を定着させるには、何度も見て、何度も書いて接触頻度を増やすのが最も効率的です。そのことを心がけていけば、助動詞もあっという間に覚えられるはずです!

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