中学3年生の頃は、ほぼ毎月のように模擬試験が行われ、志望校までの合格判定に一喜一憂していたことと思います。
しかし、高校に入って1~2年の間はそこまで多くの模擬試験は実施されません。
ほぼ全ての高校で実施される代表的な模試としてベネッセ社の進研模試があります。
これは1・2年ではそれぞれ年3回実施され、それぞれの時期での学力、2年生の場合は志望校までの距離(判定)を出してくれるものです。ほぼ全ての高校で実施しているだけあって、受験者は45~48万人にもなります。
しかし、模試が終わったら、すぐに問題用紙をしまってしまい、二度と出てくることがないという高校生も少なくないのではないでしょうか。
模試は実力を見定めるものであると同時に、受験で問われやすい重要な項目を押さえるチャンスでもあります。しっかり復習をしておかないのは非常にもったいない事です。とはいえ、「何をどう復習したら良いのか分からない」という人も多いことでしょう。そこで、今回は第1回の進研模試の復習と、第2回に向けた対策について書いていきます。
高校1年生は高校に入って初めての模試となる人も多く、終わった後はどっと疲れていることでしょう。しかも、進研模試が終わった直後に念願の夏休みが来ますから、終わった後は模試のことなど忘れてしまいがちです。
しかし、ここでだらけてしまうと、その姿勢が3年間続くことになり、ひいては大学受験でもうまくいかないというパターンが形成されてしまいます。ですから確実に復習をしていきましょう。
復習とは一言で言うと「できなかった所をできるようにするための作業」です。ダラダラと解説を眺めていても何の意味もありません。1つ1つの解説をしっかり読んで、「次に同じ問題が出題されても間違えることはない」と断言できるくらいまで頭に入れるように心がけましょう。
では、科目別に進めていきます。
英語
英語は1学期に学校で学習することはさほど多くはありません。むしろ4~5割は中学で学習した内容と重複しています。しかし、進研模試は違います。
進研模試はまだ習っていない文法を出題することもありますし、読解問題に出てくる単語はさっぱり意味が分からないものばかりで、レベルの違いがはっきりと分かるようになっています。
ですから復習のやり方に関しては大きく分けて2つあります。
1つは「既に学習した内容から出題された問題の中でも、自分が間違ってしまったもの」を確実に理解しておくことです。なぜその問題を間違ってしまったのか、そして次に間違えないようにするためには何をしたらいいのか、ということをしっかり理解しておきましょう。
そしてもう1つは「まだ習っていない文法問題、そして読解問題の吸収」です。まだ習っていない問題ができないのは仕方ないことです。しかしそれを言い訳にするのではなく、「これはどういう文法なのだろう」という前向きな気持ちを持って解説を読み込むようにしましょう。
また、分からない単語だらけの読解問題も、単語の意味を1つ1つ確認しながら、文の意味をゆっくり取っていき、とにかく「丁寧に」読む練習をしましょう。
2年後にはもっと難しい問題に取り組まなければならないわけですから、そのための土台を今からしっかり築いていきましょう。
数学
数学の大きなポイントは「大問1」です。これは小問集合と呼ばれるもので、数学の問題が1問1答形式で25点分出題されるものです。
進研模試の数学の全国平均は30点前後ですから、小問集合で点を確実に取れるだけで平均に大きく近づけることができますよね。
そして、ほかの3つの大問はレベル的に難しくなります。しかし、(1)(2)(3)とあったとすると、(1)はそこまで難しい問題は出されません。そういう問題だけでも点が稼げるようにし、それが出来ている人は(2)のレベルまで取れるようにしていけば、着実に力を付けることができます。
国語
中学との大きな違いは「古典が本格的なレベルになってくる」ということでしょう。現代文はもちろん中学とレベルは違いますが、基本的に高校入試の現代文も内容は難解なものが多くなります。
そうなると必然的に古典の難しさが際立ってくるかもしれませんね。古典は単語はもちろんですが、古典文法などが本格的に出てきます。動詞の活用パターンや、助動詞の活用・意味などを1つ1つ押さえて、今後同じような問題が出題された時に確実に点を取れるようにしてください。
古典は英語などと比べても文法・単語の量がかなり減りますから、早くから手を付けておけば怖いものはありません。
では次に高校2年生のバージョンに移ります。高校2年生は1年生の時に計3回は最低でも模試を受けているので、「今年も受けるのか」くらいの感覚で受験している人が多いのではないでしょうか。
しかし、その気持ちは早急に改めなくてはなりません。2年生は受験生になる前の準備段階という大きな役割があります。その1年を無駄にしてしまうと、その後になってからかなり苦労することになります。一般的に言われる「中弛み」の1年とならないようにしましょう。
では、こちらもまた科目別に進めていきましょう。
英語
高校1年生でほぼ全ての英文法は終えていますね。しかし、「終えている」=「吸収している」になっている人は非常に少ないのではないでしょうか。
最初のポイントはそこになります。文法は一度学習したからと言って、全て頭に入るわけではありません。何度も何度も同じパターンを繰り返すことで、定着させられるのであって、ちょっと勉強したくらいではすぐに知識が抜けていってしまいます。
それがよくわかったのが第1回の進研模試だったのではないでしょうか?ほぼ全て知っているはずの文法問題なのに間違えてしまう、それは完全に復習が足りていない証拠です。
また、1年の時に「単語量が完全に不足している」ということに気付いたにも関わらず、今年の模試でも読解が全く読めなかったと言う人も反省が足りていない人と言えるでしょう。単語は3年になってから覚え始めるのではもう手遅れです。早い段階から手を付けて少しでも多くの単語を覚えるようにしてください。
そのためのツールとして進研模試があるのです。進研模試には非常に大事な単語が多く含まれています。ですから、復習をしっかりするだけでも語彙力増強の一助となることは間違いありません。そうと決まったら、早めにやりましょう!
数学
英語と違って数学はⅡBが始まりますね。そこからの出題となるので多くの人にとっては辛い道のりかもしれません。しかし、やはり2年の進研模試も小問集合は存在しています。となるとここで取らないわけにはいきませんよね。
また学習内容はどんどん増えていきますが、1年の時と同じで、小問集合以外の大問でも(1)(2)レベルまでであれば、確実に取れる問題であるはずです。
(3)のレベルの問題はひとまず置いておき、(1)(2)レベルの問題を確実に解けるようにするための復習を、場合によっては学校のワークなどで類題を参考にしながら確認してください。
国語
国語も1年の時と比べて大きな進展はありません。ただ、古文や漢文は頑張ってやっている人は徐々に点が取れてくるのですが、現代文はどうしても点が安定しない人が多くなるようです。
現代文は確かに知識系の単元ではないので、いまいち復習のやり方が分からないと言う人が多いですが、「解説をしっかり読み込んで、なぜその答えになるのかを人に説明できる」という点に到達できるまで理解を心がけてください。
進研模試の後には夏休み、となるとちょっと気持ちが高まってしまいますが、夏は1年たりとも無駄にすることはできません。夏に少し頑張って、進研模試の復習をして、秋へのステップとしましょう。