教育[725]

【高校1年生の英語】今まで得意だったのに…なぜ?

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執筆者:門衛 教育運営チーム

中学3年生までは、英語が大の得意で、90点を下回ることはほとんどなかった・・・。しかし、進学校に入学したとたんに、英語が大の苦手に!

基本的には中学校と変わらないはずの英文法なのに、何がどうしてしまったの?そんなお悩みをお持ちの高校1年生のみなさんに、その原因の一部と思われるお話をしていきます。

まず、中学校で習った文法の表現がまとっていた「型」が、実はそれだけではなかったということが、中学英語から高校英語への脱皮を困難なものにしていると考えられます。。

例えば現在進行形は、中学校で「・・・している」という表現として習ったかと思いますが、ほんとうはそれだけでは捉えきれないものなのです。それは動詞がどのような属性であるかに左右されます。

進行形の基本的な意味は、「~の最中である」です。

He is reading a book.や、The child is playing with a toy. などは、問題ないでしょう。

では、He is dying.は、どう訳せば良いでしょうか? 「彼は死んでいるところです。」?・・・いえいえ、それではなんだかおかしいですよね。

He is dying.は、「彼は死にかけています」と訳します。

また、The old man is getting up from bed.は、どう訳すでしょうか?

「その老人は、ベッドから起きているところです。」・・・いやいや、なんだかおかしい。

The old man is getting up from bed.は、「その老人は、まさにベッドから起きようとしています。」と訳します。

なぜこのような意味のt外が生まれるのでしょうか?readやplayと、dieやget upとでは一体何が違うのでしょうか?

まず、「読む」や「遊ぶ」は、時間の幅を持つ動作です。例えば、30分間ずっと何かを読むことや、何時間もかけて遊ぶことは可能ですよね。進行形は、「一時的な状態」を表します。ですから、「読む・遊ぶ」という動作の一部を取り出し、「読んでいる・遊んでいる」という意味になるのです。

それに対して、「起きる」や「死ぬ」は、時間の幅がほとんどなく、状態が変化することを表している動詞です。「寝ている状態」から「起きている状態」への変化が「起きる」ですし、「生きている状態」から「死んでいる状態」への変化が「死ぬ」です。

進行形にすることで、そのほぼ一瞬の変化を拡大するように、その最中であることにフォーカスします。その結果、「・・・しかけている」という意味になるのです。

また、これも中学校では習わない内容なのですが、現在進行形でも未来が表せるのです。「明日の今頃は、飛行機に乗っています」のように、日本語でも未来のことを現在形で表したりしますよね。

I'm visiting Osaka next week.
来週は大阪に行っています。

I'm having a date tonight.
今夜デートなんだ。

このとき、必ず「未来のいつなのか」を示す語句を入れて下さい。それがついていないと、いつの話なのかが明確にならなくなってしまうので気をつけましょう。

このように、高校で英語が苦手になる要因は、「中学校で、わかったつもりになった文法に、じつはまだまだ深い内容が含まれているから」なのです。

最初のほうで習う内容が簡単だと思い、ついつい先生の話をいいかげんに聞き流す・・・ということをしていると、最後のほうには、同じ単現の中でもさっぱりわからなくなっています。簡単なのではなく、「聞き慣れている」ために、ついつい油断してしまうのです。これから高校1年生になる方にも、十分気をつけていただきたいことです。

次にぶつかりがちな、高校1年生の壁には、「助動詞」があります。

まず、canと聞けば、誰もが「~することができる」と覚えていますし、たいへん見慣れた単語なので、高校の先生が取り出して説明をしても、ついつい聞き流してしまいがちです。

しかし、canの真の意味はもっと深いのです。canは「可能性がある」ことを表します。もう少し細かくいうと、「やろうと思えば出来る」という感じです。

His story can be true.これは、どう訳せば良いと思いますか?

そうです。「彼の話は、真実の可能性がある」ですね。転じて、「彼の話は(ひょっとして)本当かもしれない」という意味になります。ですからcanには、「~できる」と「~かもしれない」の二つの意味があるといえますが、この二つを丸暗記しても、英語の核を掴んだとはいえません。ぜひ、canの「(内に秘めた)可能性」をわかってください。

I can be wrong. He can run away. France can be very cold in winter.

これらの訳が、出てきますか?

I can be wrong.
⇒私が間違っているかもしれない。(わたしが間違っている可能性がある。)

He can run away.
⇒彼は逃げようと思えば逃げられる。(彼は逃げる可能性がある。)

France can be very cold in winter.
⇒フランスは冬、とても寒い場合がある。(フランスは冬、とても寒い可能性がある)

助動詞の持つ「核」の意味をつかみ、柔軟な訳を身に付けることで、高校英語がグッと楽になります。

そして最後に、高校生(特に1年生)のみなさんが頭を悩ませる「時制の一致」についてお話しておきます。

主節の動詞が現在形のときは、問題がありません。従属節の動詞には制限はなく、過去のことであれば過去形を使えば良いですし、現在のことであれば現在形を使えばよいのです。

しかし、主節の動詞が過去形のときに、注意が必要なのがこの「時制の一致」です。主節の動詞が過去形のとき、従属節の時制は、主節の過去形を基準として表すことになります。

主節の動詞が過去形のとき、従属節の動詞は、「主節の表す過去における、現在のこと」を表していれば主節に合わせて過去形を、「主節の表す過去における、現在完了や過去形、過去完了形のこと」を表している場合は、過去完了形を使うと覚えてから、演習問題に取り組みましょう。

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教育総合ランキング2024/11/21 更新

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