用語が紛らわしい政治分野、理論がややこしい経済分野、どちらの分野もスッキリと整理して、身につけておきたいのが政治・経済です。
用語の暗記が重要と誤解されやすい政治・経済ですが、実はそれよりも、「事象に関する理解」のほうが必要とされる科目だということは、ご存知でしたでしょうか。それにも関わらず、理解を伴わない丸暗記に走る受験生が後をたたないのが、この政治・経済なのです。
用語の背景にある事象をしっかりと把握・理解することが大切です。
教科書や資料集を見ても、どこが重要なのかわかりにくいのが難点なので、「根本原理」を説明しているような参考書を探すことが重要です。
センター試験の問題は、「政治・経済」の全範囲からバランスよく出題されるのが特徴で、また、各設問の選択肢の内容も「政治・経済」の全範囲にわたる事項が幅広く取り上げられています。
したがって、未習分野や苦手分野を作らないようにすることが重要であり、全ての分野について基本事項を押さえておくことが必要です。
また、近年のセンター試験では、単純な資料の読取問題はほとんど出題されていません。大半の問題が、正確な知識を必要とするものとなっています。高得点を狙う場合、教科書の基本事項を全範囲にわたってすべて押さえておく必要があります。
さらに、過去に出題されたことのある事項が繰り返し出題される傾向があるので、過去問を解きながら実戦的に知識の定着を図ることが、最も効率的な学習方法であるといえます。
過去問を解く際には、正しい選択肢の内容を押さえるだけでなく、誤りの選択肢についてもどこが誤っているのかを確認しながら、基本知識を整理しておきましょう。
近年では、需要曲線と供給曲線を使った問題や比較生産費説の計算問題などについて、応用力を試す工夫がなされています。
過去問を解く際には、基本事項を押さえるだけでなく、内容をしっかり理解して、応用力を養成するよう心掛ける必要があります。余力があれば、資料集などを使って、時事問題や統計の数値などにも目配りをし、知識を広げておきましょう。
受験生に見られる一般的傾向として、民主政治の基本原理など早めに学習する分野の得点率は高いが、後回しになりがちな国際社会や国際経済の分野は低いという特徴があります。
手薄になっている分野があると、容易に得点できる問題を見逃してしまうなど、学習の効率が悪くなりますので、上記にも書いたように、全範囲について重要事項を確実に押さえ、苦手分野を作らないことが大切です。
そのためには、早めに受験勉強の準備を始めましょう。まずは全範囲の大きな枠組みや基本事項をざっと押さえ、二度目の学習の際に細かい知識を追加すると、効果的な勉強が出来ます。
「政治・経済」の教科書に記載されていることは、テレビや新聞などで報道される現実のニュースに直結しています。
そのため普段からニュースに関心を持ち、教科書のどの部分に関連するかの意識を持つことが大切です。
テレビや新聞などを通じて学習できる項目は、実はかなりたくさんあります。身近に考えることで政治や経済の事項に関するセンスや勘が養われ、応用問題に対しても、十分に力を発揮できるようになります。
『現代社会の最新時事』や、最新の政治・経済資料集、現代社会資料集などに触れておくことも有効です。
ここで注意が必要なのは、時事的事項の名称だけをなんとなく「知っている」気分になることは、とても危険であるということです。その背景や理論、歴史を知らないにも関わらず、選択肢で「知っている」用語に惑わされて正解にたどりつけないということは、よくありがちです。
「知っている」つもりになっている用語に関して理解を深めていくためには、今後試験本番までに、1日1項目、15分でも良いので、教科書や参考書をしっかりと読み込むことが効果的です。
単にセンター試験への対策をするのではなく、常識力養成のための基礎力増強トレーニング、という気持ちで勉強を開始してみると、楽しく緊張感を持って勉強が続けられることでしょう。
まずは手垢で汚れるくらい何度も何度も、教科書や参考書を読んでみましょう。用語の意味が分からなければ用語集を参照して、最終的には教科書の巻末の索引にある用語を見たら、その内容をすぐに、しかも容易にイメージできるくらいにまで到達することが出来れば、かなりの実力がついているといえます。