教育[725]

【生活作文】上手な書き方とコツ 高評価を得る6つのポイント

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執筆者:門衛 教育運営チーム

夏休みになると小学生でも宿題がたっぷり出されますね。その中でも特に困り果ててしまうケースが多いのが「生活作文」なのではないでしょうか?

「これを書きなさい」という明確なルールやお題もないため、「何を、どのように書いたらよいのか」と途方に暮れてしまうケースが多く見受けられます。

今回はそんな生活作文についてのコツをお伝えしていきましょう。その中で具体的なモデルケースとなりうるものもご紹介していきます。

<生活作文=国語力?>

よく先生の中にも「普段から国語の授業をしっかり受けていれば、作文力は自然と培われるものですよ」とおっしゃる方が多くいますが、これには少し疑問を呈したいと思います。

例えば他の教科で考えてみましょう。算数の授業をしっかり聞いていたからといって計算が早くなるわけでもないですし、速く走る方法を体育で習ったからといって実際に速く走れるようになるわけでもありません。

国語は基本的に教科書に掲載されている、「文章のプロ」が書いた文を追っていく科目で、その中で漢字の読み書きや表現技法を学ぶものですから、実際に自分が書くためのトレーニングをしているわけではないのです。

速く走るにしても、すぐれた作文にしても、ある程度までは「持って生まれたセンス・才能」がモノを言う部分がありますから、そこを無理に鍛えることはできません。

では、「うちの子はセンスがないから作文は書けないというのか」という声が聞こえてくる前にタネ明かしをしましょうね。

生活作文は特に文学賞を競うためのものでも何でもありません。プロが見てそれを「選別」するわけではなく、あくまで課題として出されているものを学校の先生が「チェック」するだけですから、その大半は「その学年らしいレベル」のものになります。その中で「ほんの少しの工夫」をするだけでも、ちょっと際立った作文に見えるようになり、それが高評価につながるのです。

ですから、ほとんどの子にはない「才能」という幻影だけを追いかける必要はないのです。

<生活作文は自己アピールの最高の場>

生活作文というと、「面倒なもの」「厄介なもの」というネガティブなイメージを持つ人がほとんどなのではないでしょうか?

しかし考え方を少し変えてみてください。普段、学校の先生は1クラス30~40人の生徒を見ているため、1人1人をじっくり見ることが難しい状況にあります。そんな中にあって生活作文というのは、自分らしさを光らせて先生にしっかり自分をアピールすることができる貴重な場とも言えます。

普段学校では見せきれていない、家庭での自分や本当の自分の良さをしっかり前面に出しましょう。

<高評価を得るポイント①:知的好奇心のアピール>

子どもが成長をするためには、やはり知的好奇心は必要なものとなります。

特に日本の教育は先生から生徒に授業内容を一方的に伝えられる「受け身型」の授業ですが、本来教育とは自分から好奇心を持って行動できることが一番望ましいのです。

「これは何だろう?」「なぜこういう現象が起こるんだろう?」「あれはどのように出来ているんだろう?」といった疑問を日々感じて、それを実際に調べて、自分なりの結論(たとえそれが正しくても間違っていても)に到達しえた時、人間は成長をするのです。学校の先生はおとなしく授業を聞いてくれる生徒を良しとしながらも、やはり「自分から興味を持って動ける子」に対しては高い評価をするという傾向にあります。

そうなると、やはりそこはアピールしないわけにはいきません。「自分はこんなことに興味を持ちました」というアピールを前面に出した文を心がけてみましょう。

<高評価を得るポイント②:先生の好みに合わせたテーマ設定>

では、どのようなことに「興味を持った」ようにすれば良いのでしょうか?

もちろん自分自身が一番興味のあることでも良いのです。例えば、小学1・2年生だとまだまだアニメや漫画のような「子供らしいもの」に強い関心を持つ年頃です。その場合は、多少大人が誘導してあげても「ズルくはない」のではないでしょうか。

そこでテーマ設定の助けとなり、かつ、評価にもつながりそうなのが「担任の先生に合わせたテーマ設定」です。

仮に学校の先生が「株」に興味を持っているという情報を手に入れたとしましょう。それは保護者経由でも子供経由でも構いません。株は突き詰めて学ぼうとすれば非常に難しくてとても小学生に扱える代物ではありませんが、簡単な仕組みまでなら学ばせることができるのではないでしょうか?

とはいえ、先生の興味内容によってはとても作文に出来たものではないようなものもあるので、そこは吟味が必要と言えるでしょう。それでも、先生だって一人の人間ですから、自分の興味あるものを生徒がテーマにして作文にしてくれたら嬉しくなるのも当然でしょう。

<高評価を得るポイント③:チャレンジ精神旺盛さをアピール>

さて、好奇心旺盛さをアピールできたら次はチャレンジ精神旺盛さをアピールしてみましょう。

人間が成長するためには、子供であれ大人であれ、自分の能力よりも高い壁に挑むことが求められます。それは体力的な面でもそうですし、知的な面でもそうです。

前者であれば、力も跳躍力も速さもまだまだ未熟な自分が、自然の中でそれを乗り越えねばならない場面に出くわしたり、自分より年が上の子供と競争をする場面で少しでも差を縮めようと奮闘する場面に出くわしたりするときに求められるものがそれに当たります。

後者では自分の習った知識では解けないようなクイズに出くわした時に、いかにその知識で解答にたどりつくかを試す時に求められる力がそれに当たります。そういった場面に出くわした時に、どこまで「負けん気」を出すことができるかは非常に重要です。そういった精神をアピールすることで、先生も笑顔になれるような作文になるのです。

<高評価を得るポイント④:自身の成長(苦手克服等)をアピール>

厳しい話ですが、好奇心とチャレンジ精神を前に出していったとしても、「成果」として何も出てこないようでは、意味がありません(子供たちにそれをそのまま伝えるわけにはいきませんが)。

やるからには何かしらの結果を出す必要があります。それは成功体験などでなくてもいいのです。

例えば「今回のチャレンジから、○○ができるようになった」といった自分本位のもので構わないのです。アピールポイントとなるのは「今まで苦手だったもの・分からなかったこと・知らなかったことを克服することができるようになった」という体験なのです。

自分の力で壁を乗り越えたという報告を聞いた先生はとても喜ばしく思ってくれることでしょう。

<高評価を得るポイント⑤:引用を効果的に用いる>

生活作文は時として原稿用紙4枚も5枚も、それ以上も書かねばならないということもあります。その全てを自分の文章で進めるというのはなかなか厳しいものがあります。

しかしそんな時に使えるのが「引用」というテクニックです。

これは、新聞や説明書などに書かれていたことを「そのまま書く」ことで、字数かせぎにもなります。とはいえ、何でもかんでも引用するというのではなく、「必要な箇所に、必要な部分を引用する」ことで、よりその効果が高まります。

「新聞を読んだら○○と書いてありました」と書くだけでも「お?この生徒は新聞を読んでいるのか!」とびっくりされるかもしれませんが、新聞の内容ばかりが書かれていたら、「引用が多くて何が言いたいのか分からないなぁ」となりかねません。

小学校低学年の場合は、その配分は親御さん等のチェックが必要かもしれません。

<高評価を得るポイント⑥:起承転結のしっかりした文章を心がける>

これらのポイントを全て満たしたら、いよいよ文章を書き始めましょう。

とはいえ、「何でもかんでも盛り込む」のでは、ただの羅列になってしまいます。起承転結のしっかりした「ストーリー」を考えてから文章を書き始めるようにしましょう。

「書かれている内容は素晴らしいのに、順番がぐちゃぐちゃ」ではせっかくの作品が台無しです。「しっかり整理整頓された文章」になるようにチェックしましょう。

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