「ゆとり教育」から「学力重視」へと教育方針が変更になった「きっかけ」はなんだったのでしょう。
すでにご存じのように「読解力」がキーワードになりました。OECD(経済協力開発機構)のPISA調査の結果から、我が国の児童生徒について三点の指摘があり、平成20年に「学習指導要領」が改定されました。二点に読解力不足が指摘されています。
①思考力、判断力、表現力、等を問う読解力や記述式問題、知識、技能を活用する問題に課題がある。
②読解力で成績分布の分散が拡大しており、その背景には家庭での学習時間などの学習意欲、学習習慣、生活習慣に課題がある。
三つの指摘の中に二項目に渡って「読解力」の欠如がありました。知識として覚えるだけでなく、暗記をすることだけでなく、自分で内容を読み取り、意味を理解し、意図するところを充分に理解しなさいということでした。
全国一斉学力テストの結果にもそれがあらわれ、学力低下が指摘され、学力重視策が講じられたのでした。現代社会は情報化社会ということで「見ること」は皆よくやっていますが「聴くこと」をしていないようです。読解力を養うことは、実は聴く力であって、聴く力の欠如が原因なのです。
ひとつ例をあげます。