教育[725]

わかりやすい高校受験の「国語」対策

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執筆者:門衛 教育運営チーム

「国語って、入試対策に何を勉強していいかわからない!」こんな声をよくお聞きします。

今回は高校入試の国語対策について、お話しします。

国語力とは、言葉を使いこなす力のことです。私たちは、発信と受信の二つの場面で言葉を使います。発信に使うのは、「話す力・書く力」であり、受信に使うのは「聞く力・読む力」です。

入試のための読解問題を解く力、というのは、それらの力のほんの一部に過ぎません。しかし、これらをまず磨くことが大切なことは言うまでもありません。

傍線部というのは、これは、大学入試センター試験や二次試験でも共通していることですが、「本文全体の理解のために必要な箇所」です。そのことをまず頭に置きましょう。

傍線部の設問をしっかりと理解することで、最後のほうにある全体の趣旨を問う問題も必然的に解きやすくなります。このことはこれからもずっと変わりませんので、一度中学生のうちに身につけたら、大学入試まで使える宝物となるのです。

「逆説」という言葉があります。

一見おかしなことや矛盾したこと、非常識なことに思えても、実はそれぞれに納得できる、否定しにくい理由・根拠があり、それが世の中の真理の一面を言い当てているような表現のことです。

例えば、ことわざにある、「急がば回れ」や、「負けるが勝ち」、「失敗は成功のもと」などがこれに当たります。世の中の主張は、また、入試の国語における「説明的文章」は、この「逆説」の構造を持っているのです。

なぜそのような構造を持っているかというと、まずは、常識に疑問を呈することで、現状をより良くしていくことが出来るからです。そして、読み手を引き付けるためには、この逆説という手段を用いることで、意外性を生み出すことが不可欠だからです。

これらを意識すると、説明的文章をスムーズに理解することが出来るようになります。逆説の理由を問う設問が、説明的文章では圧倒的に多いことを知っておきましょう。

物語的文章に関しては、出来れば小学生のうちから、「心情語」の語彙力を高めておくことが鍵を握ります。物語文の文章中に書かれているのは通常、「事実・(出来事)」と「言動(セリフ、行動)」で、その間に挟まっている「心情(気持ち)」がハッキリと書かれていることはほぼありません。

もしあっても、問いとして簡単になってしまうので、そこが問われることはありません。

したがって、問題を解く際には、「事実」と「言動」を元にして、書かれていない「心情」を自力で導き出す必要があります。

先に申し上げた「心情語」の語彙を増やすためには、普段から「自問自答」の習慣をお子様に与えることが有効です。

「スキップするときの気持ちは?一言で言うと、どう?ーーーーそれは、嬉しさだよ!」と、心情を一言で表現してみることです。

このときに、必然的に、「心情語」の引き出しがいかにあるかが問われてきます。安心、希望、不安、失望、満足、不満、好感、嫌悪感・・・引き出しを増やすためには、物語が書かれた本屋教科書のページを、出来ればお子様と一緒にめくりながら、「心情語チェック」として、ノートやカードに抜き出してみましょう。

日常の中で鍛えるためには、「今の気持ちを、一言で言うと?」という言語化ゲームをしてみると効果的です。

説明的文章を読むときも、文学的文章を読むときも、まず全体、次に部分、という順番で意識して読みましょう。その際に、論理的な読解は不可欠です。言葉の抽象化・具体化をスムーズに行う力と、対比関係を見つける力、因果関係を整理する力をつけることが大切です。

抽象化・具体化を行う力とは、国語の根幹です。同じことを、言い換えることでより相手に伝わりやすくするという作業は、誰もが無意識のうちに行っています。

接続詞の「つまり」と「例えば」を用いて、極力たくさんの言い換えを行ってみましょう。

対比関係は、ワンセットのもの(夜と昼、父と母、夢と希望、など)と、正反対のもの(善と悪、水と炎、希望と絶望、など)があります。「それに対して」という言葉が鍵となります。対比関係のない説明文は、ほとんど存在しないと言っても過言ではありません。とても説得力に欠ける文章になってしまうからです。

これを見つけ出すだけで、読解がグッと正確に、やりやすくなります。 因果関係は、「だから、なぜなら」という接続詞でたどることができます。物語文の中には、論理が隠されていますので、それをたどることで、正しい展開を読み取ることができます。これらの訓練を、ぜひ行ったあとで、入試や問題集などの文章問題を解いて見てください。

 

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