大きな地震が発生した時。その時あなたは何をしますか?もしくは何をしましたか?
阪神や東北の大きな地震を経験することにより、木造の家屋の多い日本では自然と防災に対する意識がたかまりました。地震による揺れで家屋が倒壊することの危険性、そしてその後発生する火災。木で骨組みを造り、その上に重たい瓦をのせるという日本の伝統的な家造りの文化は、地震の揺れに対して脆い一面を見せます。
もちろん、近年の家づくりはそのような伝統的な工法以外にも、瓦の耐火性能を担保しつつ耐震性を高めるために軽量化されたもの、木造の軸組による柔軟な接合部を金物で実現するという工法も増えてきました。さらにはI HコンロやSiセンサーガスコンロの普及により、木造家屋が震災をうけることにより最も被害が出るとされている火災の予防がすすみました。
では今後の家づくりで求められる耐震性とは一体どのようなものなのでしょうか。
ひとつのキーワードとしては「土地の共有化」だと思います。
土地を占有し、囲いをつくる排他的な利用方法ではなく、どれだけ隣地住人ともしくは街全体で共有できる土地を増やせるか。
今後も日本社会は高齢化がすすみ、一部の富裕層を除いては、介護や家屋管理の問題を抱えることになります。また自動運転の車も普及すれば各敷地に駐車場を確保する意味もなくなります。
共有された大きな敷地の中で必要なプライバシー空間を確保し、お互いに共有できるものは共有することで敷地の中に「大きな共有空地」をつくります。
そして、その大きな空地が災害時のバッファーゾーンとなるのです。
どれだけ技術が発達し有効な建材が発明されたとしても、人というものは集団の中で生きることでしか、自然災害時などの大きな困難には立ち向かえないものだと思います。
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2024/10/06 更新